专利摘要:
本発明は、バイオマーカーを用いて、トリプルネガティブ乳がんの再発を検出するための方法を提供する。一実施形態において、本発明は、対象でのトリプルネガティブ乳がんの発症またはトリプルネガティブ乳がんの再発のリスクを、所定レベルの予測可能性で評価するための方法を提供する。トリプルネガティブ乳がんの発症またはトリプルネガティブ乳がんの再発のリスクは、対象からのサンプル中のTNBCMARKERの有効量のレベルを測定することによって決定される。対象におけるトリプルネガティブ乳がんの発症またはトリプルネガティブ乳がんの再発の増加したリスクは、サンプル中のTNBCMARKERのレベルでの臨床的に有意な変化を測定することによって決定される。
公开号:JP2011515666A
申请号:JP2010550921
申请日:2009-03-16
公开日:2011-05-19
发明作者:デイビッド;ティー. ウェーバー,;カム;マリー スプロット,;シャオツィー ワン,
申请人:ドナー, インコーポレイテッド;
IPC主号:G01N33-574
专利说明:

[0001] 関連出願
この出願は、2008年3月14日に出願されたU.S.S.N 61/069,487および2008年3月23日に出願されたU.S.S.N 61/128,776(これらの内容は、それらの全体が参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。]
[0002] 発明の分野
本発明は、一般に、バイオマーカーの識別ならびにトリプルネガティブ乳がん(triple negative breast cancer)のスクリーニング、予防、診断、治療、モニタリング、および予後におけるそのようなバイオマーカーを使用する方法に関する。]
背景技術

[0003] 発明の背景
トリプルネガティブ乳がんは、エストロゲン受容体(ER)陰性、黄体ホルモン受容体(PR)陰性、およびHer−2陰性であり、すべての乳がんの約15%を構成し、高い割合での局所的および全身的再発の攻撃的な臨床経過を有する。臨床経過は、ERまたはPR陽性患者に対するホルモン療法やHer−2過剰発現腫瘍に対するトラスツズマブなどの治療に対する従来の目標の欠如だけでなく、腫瘍の生態を反映している。そのうえ、これらのがんは、化学療法剤に対して異なる感受性を有する場合がある。そのように、この攻撃的な疾患のための新しい治療的な療法を決定することへの非常に多くの関心がある。トリプルネガティブ乳がんは、乳がんの確立したサブタイプであるのに対して、比較的少ないバイオマーカー情報しか、患者の階層化と直接的な治療決定のために利用可能でない。]
[0004] DNA修復欠損は、トリプルネガティブ乳がんの特徴であるかもしれない。これらの腫瘍は、他の乳がんより多くのDNAコピーの変異とヘテロ接合性の消失、そして、ゲノムの不安定性を示唆する特徴を示す。さらにまた、散発性のトリプルネガティブ乳がんは、表現型で細胞遺伝学的な特徴をがん関連家族性BRCA1と共有し、マイクロアレイRNA発現データを使用してBRCA1がんとともにしっかりと分離される。BRCA1突然変異腫瘍は、DNA修復、特に相同組み換えにおける欠失であると考えられ、そして、これらの類似性は、同様のDNA修復欠損がトリプルネガティブ腫瘍の発症の基礎をなす場合があることを示唆し得る。DNA修復での起こりうる欠損は、現在の療法に対する答えについてだけではなく、新規な標的療法に関して影響を及ぼす。]
課題を解決するための手段

[0005] 発明の概要
本発明は、タンパク質、核酸、多型、代謝物質、および他の分析物などの特定の生物学的マーカー(本明細書では「TNBCMARKER」と称する)のみならず、特定の生理学的状況と状態が、再発性のトリプルネガティブ乳がんを発症させる増加したリスクを有する対象に存在するか、あるいは変化するという発見に一部は関する。]
[0006] したがって、1つの態様では、本発明は、対象でのトリプルネガティブ乳がんの発症またはトリプルネガティブ乳がんの再発のリスクを、所定レベルの予測可能性で評価するための方法を提供する。トリプルネガティブ乳がんの発症またはトリプルネガティブ乳がんの再発のリスクは、対象からのサンプル中のTNBCMARKERの有効量のレベルを測定することによって決定される。対象におけるトリプルネガティブ乳がんの発症またはトリプルネガティブ乳がんの再発の増加したリスクは、サンプル中のTNBCMARKERのレベルでの臨床的に有意な変化を測定することによって決定される。あるいは、対象におけるトリプルネガティブ乳がんの発症またはトリプルネガティブ乳がんの再発の増加したリスクは、TNBCMARKERの有効量のレベルを参照値と比較することにより決定される。いくつかの態様では、参照値は、指標である。]
[0007] 別の態様では、本発明は、第1の期間の対象からの第1のサンプルでのTNBCMARKERの有効量のレベルを検出し、第2の期間の対象からの第2のサンプルでのTNBCMARKERの有効量のレベルを検出し、そして、検出されたTNBCMARKERの有効量のレベルを参照値と比較することにより、対象でのトリプルネガティブ乳がんの進行を、所定レベルの予測可能性で評価するための方法を提供する。いくつかの態様では、第1のサンプルは、トリプルネガティブ乳がんの治療を受ける前に対象から採取され、そして、第2のサンプルは、がんの治療を受けた後に対象から採取される。]
[0008] さらなる態様では、本発明は、第1の期間の対象からの第1のサンプルでのTNBCMARKERの有効量のレベルを検出し、そして、第2の期間の対象からの第2のサンプルでのTNBCMARKERの有効量のレベルを場合により検出することにより、トリプルネガティブ乳がんに対する治療の有効度をモニタリングまたは治療レジメンを、所定レベルの予測可能性で選択するための方法を提供する。第1の期間で検出されたTNBCMARKERの有効量のレベルは、第2の期間で検出されたレベルまたは参照値と比較される。治療の有効度は、対象からのTNBCMARKERの有効量のレベルにおける変化によってモニターされる。]
[0009] TNBCMARKERは、例えば、FANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、ERCC1、NQO1、p53、Ki67を含む。1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、10の、またはそれ以上のTNBCMARKERが測定される。好ましくは、FANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも2つのTNBCMARKERが測定される。いくつかの態様では、FANDC2、BRCA1、またはRAD51、およびXPFもしくはERCC1;pMK2もしくはATM;またはPARもしくはPARP1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKERが測定される。]
[0010] さらなる態様では、TNBCMARKERは、異なるDNA修復経路に属するDNA修復タンパク質である。あるいは、3つ以上のTNBCMARKER(ここに、TNBCMARKERは、2つ以上の異なるDNA修復経路に属する)が測定される。]
[0011] 本発明の他の態様では、FAND2ならびにXPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKERが測定される;XPFならびにFANCD2、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKERが測定される;pMK2ならびにFANCD2、XPF、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKERが測定される;PARならびにFANCD2、XPF、pMK2、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKERが測定される;PARP1ならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKER;MLH1ならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKERが測定される;ATMならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、RAD51、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKERが測定される;RAD51ならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKERが測定される;BRCA1ならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、およびERCC1のうちの少なくとも1つが測定される;またはERCC1ならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、およびBRCA1のうちの少なくとも1つが測定される。場合により、NQO1、p53、およびKi67から選択される1つ以上のTNBCMARKERがさらに測定される。]
[0012] 場合により、本発明の方法は、腫瘍関連の少なくとも1つの標準パラメーターを測定することを更に含む。]
[0013] TNBCMARKERのレベルは、電気泳動的または免疫化学的に測定される。例えば、TNBCMARKERのレベルは、放射免疫測定法、免疫蛍光検査法または酵素結合免疫吸着法によって検出される。]
[0014] 対象は、トリプルネガティブ乳がんまたは再発性のトリプルネガティブ乳がんに罹患している。いくつかの態様では、サンプルは、以前にトリプルネガティブ乳がんの治療を受けた対象について採取される。あるいは、サンプルは、トリプルネガティブ乳がんの治療を受ける前に対象から採取される。サンプルは、細針吸引(fine needle aspirate)、コア生検(core biopsy)、切除組織生検(excisional tissue biopsy)または切開組織生検(incisional tissue biopsy)などの腫瘍生検である。サンプルは、血液、リンパ節、または体液由来の腫瘍細胞である。]
[0015] 他に定めが無い限り、本明細書で使われる技術的で科学的な用語のすべては、本発明が関係する技術の通常の知識を有する者によって一般に理解されると同じ意味を有する。本明細書に記述されるものと類似または均等な方法と材料は、本発明の実施において使うことができるが、適当な方法と材料は以下に記述される。本明細書に記載の刊行物、特許出願、特許、および他の引用文献のすべては、引用によってそれらの全体が本明細書に明白に取り込まれる。争いの場合には、定義を含む本明細書が規制する。さらに、本明細書に記述される材料、方法、および実施例は、単なる例示であり、制限することを意図するものではない。]
[0016] 本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明と特許請求の範囲から明らかであり、それに包含される。]
図面の簡単な説明

[0017] 図1は、トリプルネガティブ乳がん標本に関する免疫組織化学的パターンを示す。A、FANCD2。FANCD2の染色パターンは、核点状構造として認識できて、相同組み換えを刺激するFANCD2経路の活性化を示す。B、pMK2。4つの代表的ながんコアが表示され、トリプルネガティブ乳がん腫瘍領域でのリン酸化Mapkapキナーゼ2(pMK2)の4つの認識されたパターンを示す。
図2は、患者間のマーカー出力変動がトリプルネガティブ乳がんでのサンプル間のばらつきをはるかに超えることを示す。A、コア−コアばらつきの計算の理論的定義とランク変化評価。B、表はTNBCMARKERについて評価される患者の平均誤差とNの患者数を示す。C、4つのTNBCMARKERに対する患者ランキングからの結果。患者マーカーのスコアが、最低から最高まで分類され、患者当たりのコア−コアばらつきが垂直破線として表示される。
図2は、患者間のマーカー出力変動がトリプルネガティブ乳がんでのサンプル間のばらつきをはるかに超えることを示す。A、コア−コアばらつきの計算の理論的定義とランク変化評価。B、表はTNBCMARKERについて評価される患者の平均誤差とNの患者数を示す。C、4つのTNBCMARKERに対する患者ランキングからの結果。患者マーカーのスコアが、最低から最高まで分類され、患者当たりのコア−コアばらつきが垂直破線として表示される。
図2は、患者間のマーカー出力変動がトリプルネガティブ乳がんでのサンプル間のばらつきをはるかに超えることを示す。A、コア−コアばらつきの計算の理論的定義とランク変化評価。B、表はTNBCMARKERについて評価される患者の平均誤差とNの患者数を示す。C、4つのTNBCMARKERに対する患者ランキングからの結果。患者マーカーのスコアが、最低から最高まで分類され、患者当たりのコア−コアばらつきが垂直破線として表示される。
図2は、患者間のマーカー出力変動がトリプルネガティブ乳がんでのサンプル間のばらつきをはるかに超えることを示す。A、コア−コアばらつきの計算の理論的定義とランク変化評価。B、表はTNBCMARKERについて評価される患者の平均誤差とNの患者数を示す。C、4つのTNBCMARKERに対する患者ランキングからの結果。患者マーカーのスコアが、最低から最高まで分類され、患者当たりのコア−コアばらつきが垂直破線として表示される。
図3は、患者の単一TNBCMARKER分割解析からの再発群への分離を示す。患者は、再発までのそれらの時間の評価における分割解析よって分けられる。示される例としては、表1のリストからのDNA修復マーカーであり、XPF、FANCD2、PAR、およびPMK2である。点線は、再発群間の分離を画定する。
図4は、2つのマーカーモデルは、両方のマーカーが2つの再発群を識別する際に重要であることを証明する。バイナリ解析による対合組み合わせにおける4つのマーカーからの6つの例が示される。黒塗りの三角形は、早期再発群;黒塗りの円は、後期再発群。患者は、分割解析法によって分けられる。点線は、再発群間の分離の画定を示す。
図5は、2つのマーカーモデル群に対する第2群の証明を示す。群2は、その研究においてPARP1、MLH1、Ki67のさらなるマーカーから構成される。患者は、分割解析法によって分けられる。点線は、再発群間の分離の画定を示す。
図6は、4つのTNBCMARKERに対する閾値マーカー値を示す。4つのTNBCMARKER(XPF、FANCD2、PAR、PMK2)が、マーカーレベルと患者指標のために示される。患者は、最低マーカースコアから最高マーカースコア(左から右に)までランク付けされる。線は、2つの再発群((非再発、後期再発に等しい)と(再発、早期再発に等しい))の間のカットオフ値を最大にすることを示す。絶対的マーカー値としての閾値は、テーブル挿入物にリストされる。
図6は、4つのTNBCMARKERに対する閾値マーカー値を示す。4つのTNBCMARKER(XPF、FANCD2、PAR、PMK2)が、マーカーレベルと患者指標のために示される。患者は、最低マーカースコアから最高マーカースコア(左から右に)までランク付けされる。線は、2つの再発群((非再発、後期再発に等しい)と(再発、早期再発に等しい))の間のカットオフ値を最大にすることを示す。絶対的マーカー値としての閾値は、テーブル挿入物にリストされる。
図7は、4つのDNA修復マーカーアルゴリズムは、トリプルネガティブ乳がん患者を早期再発群と後期再発群に有意に分けることを示す。A、トレーニング・データ・セット;線は、テストによって標識および定義された早期再発患者のサブセットと後期再発患者のサブセットに対する再発プロファイルと再発のない割合に対する時間を示す。全患者と経時的に再発のない割合は、破線によって示される。B、テスト・データ・セット。テスト・データ・セットは、マーカートレーニングとアルゴリズムエクササイズによって以前に分析されなかった患者である。全患者と経時的な再発のない割合は、破線によって示される。
図8は、再発群の識別に関するトレーニング・データ・セットとテスト・データ・セットの比較を示す。早期再発群と後期再発群は、表示された(点線)分離の95%信頼区間で、トレーニング・データ・セットとテスト・データ・セット(実線)について比較された。これらの比較に関して、非再発(後期)群は、トレーニングとテストのセット間で統計学的に有意差がない(p=0.606)。同様に、再発(早期)群は、トレーニングとテストのセット間で統計学的に有意差がない(p=0.625)。
図9は、相対的リスクと見かけ上の誤差率が、4つのDNA修復マーカーモデルのために優れていることを示す。A、トレーニング・データ・セット、B、テスト・データ・セット。相対的リスクは、高スコア再発群(良好な生存率)と低スコア再発群(低い生存率)の間で起こる再発の確率の比率である。見かけ上の誤判別率(AER)は、合わされたスコアによって誤分類された患者の割合である。
図10は、マルチマーカーモデルで改善されたルートマーカーの性能を示す。3つのルートマーカー(FANCD2、XPF、およびRAD51)が示される。それぞれの場合、計算されたlog10 P−値(正方形)、陽性予測値(PPV)(三角形)およびAER(黒丸)が、各ルートマーカーにつき、単独で、または2−、3−および4−マーカーモデルの他のTNBCMARKERと組み合わせて示される。すべてのモデルの中央値が、各モデルに対してプロットされる。
図11は、確率解析の概要を示す。確率解析は、TNBCMARKERの出力の連続スコアリングを考慮するアルゴリズムである。アルゴリズムでは、再発の低発生率の領域と再発の高発生率の領域が、確率密度分布の推定から提案される。早期再発(すなわち、再発しそう)と後期再発(再発しそうにない)の群について、群のメンバーシップを反映する単一スコアが、個々の群の確率から構築される。
図12は、すべての1−、2−、3−、および4−TNBCMARKERモデルでのDNA修復TNBCMARKERの分割解析を示す。解析のマーカーは、DNA修復マーカー(XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH、FANCD2、ATM、RAD51、BRCA1、ERCC1、およびNQO1)の群を含んだ。すべての1−マーカー、2−マーカー、3−マーカー、および4−マーカーの組み合わせモデルは、比較されて、1、2、3、4としてx軸にプロットされた。その群のすべてのモデルの中央値は、狭い白いボックスで表わされ、各プロットされた値の中央域である。黒いボックスは、中央値に対する95%信頼区間を意味する。外側の白いボックスは、データの中央値の半分を意味する(中央値より上の白い部分は、データの4分の1であり、一方、中央値より下の白い部分は、データの4分の1である。分割解析のために、P−値、相対的リスク、陽性予測値、特異度、AERの出力が比較された。
図13は、単一マーカー、XPFの確率解析を示す。結果によるスコア、患者は、事象(再発)または無事象(非再発)によって分離されて、そして、マーカーでのテスト結果を正しく呼び出す確率が、−1.0〜+1.0のスケールからプロットされる。Kaplan−Meier再発曲線のLATEおよびEARLYは、それぞれ再発までの遅い時間(良好な帰結)と再発までの早い時間(予後不良)への患者のサブグループ化を意味する。スコアから予測される帰結は、確率スコアに対する事象(再発)の尤度をプロットすることにより示される(破線による95%の信頼区間);スコアからのROCプロット、曲線下面積(AUC)感度/特異度の測定が記載され、値は0〜1の範囲である。
図14は、単一マーカー、FANCD2の確率解析を示す。帰結によるスコア、患者は、事象(再発)または無事象(非再発)によって分離されて、そして、マーカーでのテスト結果を正しく呼び出す確率が、−1.0〜+1.0のスケールからプロットされる。Kaplan−Meier再発曲線のLATEおよびEARLYは、それぞれ再発までの遅い時間(良好な帰結)と再発までの早い時間(予後不良)への患者のサブグループ化を意味する。スコアから予測される帰結は、確率スコアに対する事象(再発)の尤度をプロットすることにより示される(破線による95%の信頼区間);スコアからのROCプロット、曲線下面積(AUC)感度/特異度の測定が記載され、値は0〜1の範囲である。
図15は、単一マーカー、PARの確率解析を示す。帰結によるスコア、患者は、事象(再発)または無事象(非再発)によって分離されて、そして、マーカーでテスト結果を正しく呼び出す確率は、−1.0〜+1.0のスケールからプロットされる。Kaplan−Meier再発曲線のLATEおよびEARLYは、それぞれ再発までの遅い時間(良好な帰結)と再発までの早い時間(予後不良)への患者のサブグループ化を意味する。スコアから予測される帰結は、確率スコアに対する事象(再発)の尤度をプロットすることにより示される(破線による95%の信頼区間);スコアからのROCプロット、曲線下面積(AUC)感度/特異度の測定が記載され、値は0〜1の範囲である。
図16は、3つのマーカーモデル−XPF、FANCD2、PARの確率解析を示す。帰結によるスコア、患者は、事象(再発)または無事象(非再発)によって分離されて、そして、3つのマーカーでテスト結果を正しく呼び出す確率は、−1.0〜+1.0のスケールからプロットされる。Kaplan−Meier再発曲線のLATEおよびEARLYは、それぞれ再発までの遅い時間(良い結果)と再発までの早い時間(予後不良)への患者のサブグループ化を意味する。スコアから予測される帰結は、確率スコアに対する事象(再発)の尤度をプロットすることにより示される(破線による95%の信頼区間);スコアからのROCプロット、曲線下面積(AUC)感度/特異度の測定が記載され、値は0〜1の範囲である。
図17は、4つのマーカーモデル−XPF、FANCD2、PAR、PMK2の確率解析を示す。帰結によるスコア、患者は、事象(再発)または無事象(非再発)によって分離されて、そして、4つのマーカーでテスト結果を正しく呼び出す確率は、−1.0〜+1.0のスケールからプロットされる。Kaplan−Meier再発曲線のLATEおよびEARLYは、それぞれ再発までの遅い時間(良好な帰結)と再発までの早い時間(予後不良)への患者のサブグループ化を意味する。スコアから予測される帰結は、確率スコアに対する事象(再発)の尤度をプロットすることにより示される(破線による95%の信頼区間);スコアからのROCプロット、曲線下面積(AUC)感度/特異度の測定が記載され、値は0〜1の範囲である。
図18は、すべての1−、2−、3−、4−、および5−TNBCMARKERモデルでのDNA修復TNBCMARKERの確率解析を示す。解析でのマーカーは、DNA修復マーカー(XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH、FANCD2、ATM、RAD51、BRCA1、ERCC1、およびNQO1)の群を含んだ。すべての1−マーカー、2−マーカー、3−マーカー、4−および5−マーカーの組み合わせが比較され、1、2、3、4、5としてx軸にプロットされた。その群のすべてのモデルの中央値は、狭い白いボックスで表わされる中央値が、各プロットされた値の中央域である。黒いボックスは、中央値に対する95%の信頼区間を意味する。外側の白いボックスは、データの中間の半分を意味する(中央より上の白い部分は、データの4分の1であり、中央より下の白い部分は、データの4分の1である。評価された統計的な値は、割り当てられたフラクションサンプル、AUC、感度、および特異度であった。
図19は、DNA修復TNBCMARKERの、2−と3−マーカーのアルゴリズムでのNQO1マーカーとの分割解析の組み合わせを示す。NQO1マーカー値は、p−値、相対的リスク、AER、およびすべての単独または2−および3−マーカーモデル毎の感度に対して計算された。] 図1 図10 図11 図12 図13 図14 図15 図16 図17 図18
[0018] 発明の詳細な説明
本発明は、トリプルネガティブ乳がん関連バイオマーカーの識別に関するものである。具体的には、これらのバイオマーカーは、DNA修復経路に関連するタンパク質である。DNA修復経路は、化学療法や放射線に対する細胞応答ネットワークにとって重要である。]
[0019] いくつかの基準で区別できる6つの主要なDNA修復経路があり、それは、1本鎖損傷を修復するものと、2本鎖損傷を修復するものとの3つのグループに分けることができる。1本鎖損傷修復経路は、塩基除去修復(BER);ヌクレオチド除去修復(NER);ミスマッチ修復(MMR);相同組み換え/Fanconi貧血経路(HR/FA);非相同末端再結合(NHEJ)、および損傷乗り越えDNA合成修復(TLS)を含む。]
[0020] BER、NERおよびMMRは、1本鎖DNAの損傷を修復する。ダブルヘリックスの2本鎖のうちの1つだけが欠陥を有するとき、他のストランドが損傷を受けたストランドの修復を導くテンプレートとして使うことができる。DNAの2つの対の分子のうちの1つへの損傷を修復するために、損傷を受けたヌクレオチドを取り除いて、損傷を受けていないDNAストランドに見られるそれと相補的な損傷を受けていないヌクレオチドと置き換える除去修復の多くのメカニズムが存在する。BERは、酸化、アルキル化、加水分解、または脱アミノ化に起因する単一のヌクレオチドによる損傷を修復する。NERは、2〜30塩基のより長いストランドに影響を及ぼす損傷を修復する。このプロセスは、1本鎖切断(UvrABCエンドヌクレアーゼなどの酵素で修復される)だけでなく、チミン2量体などの嵩張った、ヘリックスを歪める変化を認識する。転写共役修復(TCR)として知られているNERの特定形は、活発に転写されている遺伝子に優先度の高いNER修復酵素を配備する。MMRは、DNA複製のエラーとDNA複製の後でミスペアのヌクレオチドをもたらす組み換えを修正する。]
[0021] NEHJとHRは、2本鎖DNAの損傷を修復する。2本鎖損傷は、特に分裂細胞にとって危険である。細胞が傷害が起こったDNA領域をまだ複製していないとき、NHEJ経路は作動する。そのプロセスは、テンプレートなしで直接切断されたDNAストランドの2つの端部に結合し、そして、プロセスでの配列情報を失う。このように、この修復メカニズムは、必然的に突然変異誘発性である。しかし、細胞が分裂していなくて、そのDNAを複製していなかったならば、NHEJ経路は、細胞の唯一の選択肢である。NHEJは、結合すべき2つのDNA断片の1本鎖尾部間での、偶然の組み合わせまたはミクロ相同性に依存する。NHEJのために複数の独立した「フェイルセーフ」経路が、より高等な真核生物ではある。組み換え修復は、切断の修復のテンプレートとして使われる同一であるかほとんど同一の配列の存在が必要である。この修復プロセスを担う酵素機構は、減数分裂の間、染色体における乗換えを担う機構とほとんど同一である。この経路は、損傷を受けた染色体をテンプレート、すなわちセントロメアを経て損傷を受けた領域にも結合している同一のコピーとして新しく作られた姉妹染色分体を使って修復させることができる。このメカニズムで修復される2本鎖切断は、1本鎖切断または未修復損傷(この両方は複製フォークの崩壊をもたらす)にわたって合成しようとする複製機構によって通常、引き起こされる。]
[0022] 損傷乗り越え合成は、他のどのメカニズムでも修復されなかったDNA損傷を修復するエラーを起こしやすい(エラーをほとんど保証している)切り札的な方法である。DNA複製機構は、DNAの損傷部位を過ぎて複製し続けることができないので、前進複製フォークは、損傷を受けた塩基に遭遇すると足止めさせられる。損傷乗り越え合成経路は、損傷の部位に余分の塩基を挿入して、このように複製が染色体重複を続けるために損傷を受けた塩基を迂回するのを許容する特定のDNAポリメラーゼによって調停される。損傷乗り越え合成機構により挿入される塩基は、テンプレートから独立しているが、任意ではない;例えば、チミン2量体を過ぎて合成するとき、1つのヒトポリメラーゼはアデニン塩基を挿入する。]
[0023] 通常の細胞プロセスと外因性の薬剤の両方は、真核生物細胞が遺伝物質の安定性と高忠実度複製を確実にするために複雑で冗長な修復メカニズムを発展させたDNAの損傷の蓄積に貢献する。偶発突然変異は、生涯のがんのリスクを完全に説明することができないのに対し、DNA修復における欠陥は、「変異誘発物」表現型をもたらし、そこでは、細胞が加速した速度で損傷を蓄積し、腫瘍形成に至る。これらの欠陥が、ゲノムの不安定性と攻撃性に寄与する可能性があるのに対し、化学療法や電離放射線などの外因性DNA障害薬剤による損傷に対する腫瘍細胞を感受性にするかもしれない。このように、DNAの損傷修復障害は、がん細胞でずっと一般的であり、攻撃性により関連しそうであるので、細胞DNA修復機構は、治療的な発展のための一組の目標だけでなく予測と予後の機会を提供する。]
[0024] トリプルネガティブ乳がんは、DNA修復において欠陥をさらに抱いているようである。1つの研究は、ゲノム不安定性のマーカーとしてヘテロ接合性の消失(LOH)を使い、基底膜細胞型乳がんが、すべての乳がんサブタイプのLOHの最高率を有していたことを知見した。さらに、5q11は、多くのDNA修復とチェックポイント遺伝子の近くで、基底膜細胞型がんの100%で失われ、他のサブタイプでは失われなかった。また、ゲノム全体のアレイに基づく比較ゲノムハイブリダイゼーションで分析すると、高度のDNAコピー獲得と基底細胞型サブタイプと関連した喪失がある。家族性BRCA1関連のがんは、また、ER、PRおよびHer2陰性に加えて、トリプルネガティブ乳がんと多くの臨床的および表現型特徴を共有し、高度のEGFR発現、p53突然変異、および細胞遺伝学的な異常を含む。BRCA1タンパク質は、DNA2本鎖切断に応じての相同組み換えとの関係を通してDNA修復に関与する。]
[0025] 本明細書に記述されるこの研究において、これらの経路のいくつかからの代表的なものが、トリプルネガティブ乳がんを有する個体の臨床結果との関係について調査された。選択されたDNA修復タンパク質エピトープ、NQ01、p53、およびKi67タンパク質は、トリプルネガティブ乳がん組織マイクロアレイ(TMA)からの連続切片で評価された。評価されたDNA修復タンパク質エピトープは、XPFとERCC1(ヌクレオチド除去修復)、FANCD2(Fanconi貧血経路)、RAD51とBRCA1(相同組み換え)、MLH1(ミスマッチ修復)、PARP1(塩基除去修復)、PAR(塩基除去修復)、およびpMK2(リン酸化Mapkapキナーゼ2)、ATM(DNA損傷応答)を含んだ。マーカーNQO1は、乳がんでのアントラサイクリン系の治療に対する感受性と関連づけられる解毒酵素である。核に局在化するマーカーKi67は、DNA修復マーカーではないが、その代わりに腫瘍領域の細胞増殖能力の指標である。マーカーp53は、がんでしばしば突然変異する腫瘍抑制因子である、そして、p53の突然変異は、DNA鑑定または安定化p53変異体タンパク質によって免疫組織化学で証明される。]
[0026] 下記の実施例の部で記述されるように、研究されたDNA修復バイオマーカーは、がん再発までのより短期間と関係していた。具体的には、2つ、3つ、そして4つのマーカーモデルは、トレーニングとテストコホートの両方での再発までの時間に基づいて、高リスク群と低リスク群に分離することができた。]
[0027] したがって、本発明は、トリプルネガティブ乳がん関連タンパク質バイオマーカーを検出することにより、トリプルネガティブ乳がんに罹患している、あるいは、トリプルネガティブ乳がんの再発を経験するリスクのある対象を識別するための方法を提供する。これらのTNBCMARKERは、トリプルネガティブ乳がんの治療と療法を受けている対象をモニターするために、そして、トリプルネガティブ乳がんに罹患している対象に有効である療法と治療を選択するか、または修正するために有用でもあり、そこでは、そのような治療と療法の選択と使用が、腫瘍の進行を減速するか、大幅にその開始を遅らせるもしくは予防するか、あるいは腫瘍転移および/または再発を減少もしくは予防する。]
[0028] TNBCMARKERは、例えば、FANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、ERCC1、NQO1、p53、Ki67を含む。1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、10またはそれ以上のTNBCMARKERが測定される。好ましくは、FANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも2つのTNBCMARKERが測定される。いくつかの態様では、FANDC2、BRCA1、またはRAD51と、XPFもしくはERCC1;pMK2もしくはATM;またはPARもしくはPARP1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKERとが測定される。]
[0029] さらなる態様では、TNBCMARKERは、異なるDNA修復経路に属しているDNA修復タンパク質である。あるいは、3つ以上のTNBCMARKERは、TNBCMARKERが2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上の異なるDNA修復経路に属している尺度である。]
[0030] 本発明の他の態様では、FAND2ならびにXPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKERが測定される;XPFならびにFANCD2、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKERが測定される;pMK2ならびにFANCD2、XPF、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKERが測定される;PARならびにFANCD2、XPF、pMK2、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKERが測定される;PARP1ならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKER;MLH1ならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKERが測定される;ATMならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、RAD51、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKERが測定される;RAD51ならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、BRCA1、およびERCC1から選択される少なくとも1つのTNBCMARKERが測定される;BRCA1ならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、およびERCC1のうちの少なくとも1つが測定される;またはERCC1ならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、およびBRCA1のうちの少なくとも1つが測定される。場合により、NQO1、p53、およびKi67から選択される1つ以上のTNBCMARKERがさらに測定される。]
[0031] 定義
「正確さ」は、その実際の(または真の)値に対する測定または計算された量(テスト報告値)の一致の度合いを指す。臨床の正確さは、真の帰結(真の陽性(TP)または真の陰性(TN)対誤分類された帰結(偽陽性(FP)または偽陰性(FN))の割合に関するものであり、そして、感度、特異度、陽性予測値(PPV)もしくは陰性的中率(NPV))として、または、他の測定の中での尤度、オッズ比として述べられる場合がある。]
[0032] 本発明の文脈の「バイオマーカー」は、制限されることなく、それらの多型、突然変異、変異体、修飾体、サブユニット、断片、タンパク質−リガンド複合体、および分解産物、タンパク質−リガンド複合体、元素、関連代謝物質、ならびに他の分析物またはサンプル由来測定物質とともに、タンパク質、核酸、および代謝物質を包含する。バイオマーカーは、また、変異タンパク質または変異核酸も含むことができる。バイオマーカーは、また、本明細書で定義される「臨床パラメーター」と同様に本明細書でも定義される「従来の実験室危険因子」などの健康状態の非血液由来因子または非分析物生理的マーカーを包含する。また、バイオマーカーは、数学的に作成される任意の計算された指標または経時的傾向と違いを含む任意の1つ以上の前述した測定値の組み合わせも含む。利用可能であり、本明細書で他に記述されない限り、遺伝子産物であるバイオマーカーは、国際的ヒトゲノム機構命名委員会(HGNC)によって割り当てられて、米国国立生物工学情報センター(NCBI)のウェブサイト(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=gene)(別名Entrez Gene)で本出願の日付に掲載されている公式の文字省略形または遺伝子記号に基づいて特定される。]
[0033] 「TNBCMARKER」または「TNBCMAERKER」は、すべての核酸またはポリペプチドの1つ以上を包含し、そのレベルはトリプルネガティブ乳がんを有するか、トリプルネガティブ乳がんを発症させる傾向があるか、またはトリプルネガティブ乳がんのリスクがある対象によって変わる。本明細書で使用されるように、TNBCMARKERは、p53、Ki67、NQO1、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ERCC1、BRCA1、RAD51、ATMまたはFANCD2を含む。個々のTNBCMARKERは、本明細書では、特に「トリプルネガティブ乳がん関連タンパク質」、「TNBCMARKERポリペプチド」、または「TNBCMARKERタンパク質」と総称される。ポリペプチドをコードする対応する核酸は、「トリプルネガティブ乳がん関連核酸」、「トリプルネガティブ乳がん関連遺伝子」、「TNBCMARKER核酸」、または「TNBCMARKER遺伝子」と称される。特に明記しない限り、「TNBCMARKER」、「トリプルネガティブ乳がん関連タンパク質」、「トリプルネガティブ乳がん関連核酸」は、本明細書で開示されたいずれかのバイオマーカー、例えば、p53、Ki67、NQO1、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ERCC1、BRCA1、RAD51、ATMまたはFANCD2を指すことを意味する。TNBCMARKERタンパク質または核酸の対応する代謝物質は、また、任意の前記した従来のリスクマーカー代謝物質と同様に、測定することができる。]
[0034] 健康状態の生理的マーカー(例えば、従来の危険因子として一般に使われる年齢、家族歴、および他の測定値など)は、「TNBCMARKER生理学」と称される。TNBCMARKERの前述のクラスの1つ以上、好ましくは2つ以上の測定値を数学的に結合して作成された計算された指数は、「TNBCMARKER指数」と称される。]
[0035] 「臨床指標」は、細胞コレクションまたは生物の生理的条件を評価する際に単独で、または他のデータとともに使われる任意の生理的データでもある。この用語は、前臨床指標を含む。]
[0036] 「臨床パラメーター」は、対象の健康状態または他の特徴(例えば、限定されずに、年齢(Age)、民族性(RACE)、性別(Sex)、または家族歴(FamHX))のすべての非サンプルまたは非分析物バイオマーカーを包含する。]
[0037] 「FN」は偽陰性であり、それは病気状態の試験に関して、病気の対象を誤って非病気または正常であると分類することを意味する。]
[0038] 「FP」は偽陽性であり、それは病気状態の試験に関して、正常な対象を誤って病気に罹患していると分類することを意味する。]
[0039] 「式」、「アルゴリズム」、または「モデル」は、任意の数学の式、アルゴリズムの、分析的な、もしくはプログラムされたプロセス、または1つ以上の連続変数または離散変数入力(ここに、「パラメーター」と呼ばれる)をして、出力値(時々「指数」または「指数値」と呼ばれる)を計算する統計技術でもある。「式」の非限定的な例は、合計、比率、および係数や指数などの回帰演算子、バイオマーカー値変化と標準化(限定されることなく、性別、年齢、または民族性などの臨床パラメーターに基づくそれらの標準化計画を含む)、規則とガイドライン、統計分類モデル、および歴史的な統計母集団に対して教育されたニューラルネットワークを含む。TNBCMARKERと他のバイオマーカーを組み合わせる特定の使用では、線形方程式と非線形方程式、ならびに対象サンプルで検出されたTNBCMARKERのレベルと対象の病気のリスクとの関係を決定するための統計的分類分析である。パネルと組み合わせの構築において、特に興味深いのは、構造的で構文的な統計分類アルゴリズムとリスク指標構築方法であり、特に、確立した技術(例えば、相互相関法、主成分分折法(PCA)、因子回転法、ロジスティック回帰法(LogReg)、線形判別分析法(LDA)、自己遺伝子線形判別分析法(ELDA)、サポートベクトルマシン法(SVM)、ランダムフォレスト法(RF)、再帰分割木法(RPART))だけでなく、他の決定木分類技術、収縮重心法(SC)、StepAIC法、Kth−Nearest Neighbor法、ブースティング法、決定木法、ニューラルネットワーク法、ベイジアンネットワーク法、サポートベクターマシン法、および隠れMarkovモデル法を含むパターン認識機能を利用する。他の技術が、当業者に周知のCox、Weibull、Kaplan−MeierおよびGreenwoodのモデルを含む生存率と事象リスク分析の時間に使われてもよい。これらの技術の多くは、前進選択法、後方選択法、またはステップワイズ選択法などのTNBCMARKER選択技術、所定のサイズのすべての潜在的パネルの完全な列挙、遺伝的アルゴリズムと組み合わされて有用であるか、あるいは、それらはバイオマーカーの選択方法論をそれら自身で含むかもしれない。これらは、さらなるバイオマーカーとモデル改善の間の二律背反性の関係を定量化するために、また過剰適合を最小にする際に支援するために、Akaike情報量基準(AIC)またはBayes情報量基準(BIC))などの情報量基準と結合させてもよい。得られる予想モデルは、ブートストラップ法、Leave−One−Out法(LOO)、および10倍交差検定法(10倍CV)などの技術を使用して、他の研究において検定されるか、またはそれらが当初訓練された研究で交差検定され得る。いろいろなステップで、偽発見率は、当該分野で公知の技術による並べ替え検定によって推定することが可能である。「健康経済効用関数」は、ケア標準への診断的または治療的な介入の導入の前後に、理想とされた適用できる患者母集団でさまざまな臨床帰結の期待される確率の組み合わせに由来する式である。それは正確さ、有効性およびそのような介入の性能特性の評価、および各帰結に関連したコストおよび/または価値測定(効用)を含み、それはケア(サービス、必需品、装置と薬、その他)の実際の保健制度費用から、および/または各帰結をもたらす質調整生存年数(QALY)につき評価された許容できる値として引き出されるかもしれない。ある帰結の予測された集団のサイズに各帰結の期待された効用を掛けた積の全予測帰結に渡る合計がケアのある標準の総健康経済効用となる。(i)介入を有するケア標準のために計算された総健康経済効用対(ii)介入なしのケア標準のための総健康経済効用との間の相違は、健康経済費用または介入の価値の全体的な尺度となる。これは、分析される全体の患者群の中で(あるいは、介入群の中だけで)、それ自身、分割されて単位介入当たりのコストに到達し、そして、市場の位置決め、価格設定と保健制度受理の前提としての決定を導くことが可能である。そのような健康経済効用関数は、介入の費用対効果を比較するのに一般的に使用されるが、医療システムが快く払うQALYにつき許容できる値、あるいは新しい介入に必要とされる許容できる費用対効果のある臨床性能を推定するために変えられる場合がある。]
[0040] 本発明の診断(または予後のため)介入に関しては、各帰結(これは、病気を分類する診断試験において、TP、FP、TN、またはFNであってよい)が、異なるコストを負担するので、健康経済効用関数は、臨床状況と個々の結果の経費と価値に基づいて、特異度よりも感度を、またはNPVよりもPPVを優先して好む場合があり、従って、より直接的な臨床または分析性能の基準と異なる場合がある健康経済性能と価値の別の尺度を与える。これらの異なる測定と相対的な二律背反性は、一般的に、全ての性能の尺度が不完全性を超越しているがその程度は様々である誤り率ゼロ(いわゆる、ゼロ予測された対象の帰結の誤分類、またはFPとFN)を有する完璧な試験の場合にのみ収束することになる。]
[0041] 「測定すること」もしくは「測定」、あるいは、「検出すること」もしくは「検出」は、臨床サンプルまたは対象由来サンプル(そのような物質の定性的または定量的濃度レベルの起源を含む)中の所定の物質の存在、非存在、量または容量(それは、有効量であり得る)を評価するか、さもなければ対象の非分析物臨床パラメーターの値または分類を評価することを意味する。]
[0042] 「陰性的中率」または「NPV」は、TN/(TN+FN)によって計算されるか、またはすべての陰性試験結果の真の陰性の割合である。それは、また、病気の罹患率と検査を受ける予定の母集団の予備試験の確率により本質的に影響を受ける。]
[0043] 特異度、感度、ならびに試験、例えば、臨床診断試験の陽性および陰性的中率を考察している、例えば、O’Marcaigh AS,Jacobson RM,“Estimating The Predictive Value Of A Diagnostic Test,How To Prevent Misleading Or Confusing Results,”Clin.Ped.1993,32(8):485−491を参照されたい。連続診断試験の測定を使用する2元疾患状態分類アプローチにおいて、しばしば、感度と特異度は、Pepeらの“Limitations of the OddsRatio in Gauging the Performance of a Diagnostic, Prognostic,or Screening Marker,”Am.J.Epidemiol 2004,159(9):882−890による受容者動作特性(ROC)曲線により総括され、曲線下面積(AUC)またはc−統計値、すなわち、単一の値のみによる試験(または検定)のカットポイントの全範囲にわたって試験、検定、または方法の感度と特異度の表示を可能とする指標によって総括されることが多い。同様に、例えば、Shultz,“Clinical Interpretation Of Laboratory Procedures,”chapter 14 in Teitz,Fundamentals of Clinical Chemistry,Burtis and Ashwood(編)第4版1996,W.B.Saunders Company,pages 192−199;およびZweigら、“ROC Curve Analysis:An Example Showing The Relationships Among Serum Lipid And Apolipoprotein Concentrations In Identifying Subjects With Coronory Artery Disease,”Clin.Chem.,1992,38(8):1425−1428を参照されたい。尤度関数、オッズ比、情報理論、的中率、較正(適合度検定を含む)、および再分類測定を使用する代替的アプローチは、Cook,“Use and Misuse of the Receiver Operating Characteristic Curve in Risk Prediction,”Circulation 2007,115:928−935に従って概説されている。]
[0044] 最後に、試験によって定義される対象コホートの危険率と絶対的および相対的な危険率は、臨床的正確さと効用の別の尺度である。多重法は、基準限界、判別限界、および危険閾値を含む異常または疾患の値を定義することに多用される。]
[0045] 「分析の正確さ」とは、測定プロセスそのものの再現性と予測性を指し、変異係数のような測定値、一致検定および異なる時間、使用者、装置および/または試薬を用いた場合の同じ原料または対照の較正において総括される。新しいバイオマーカーを評価する際のこれらおよびその他の考察が、Vasan(2006)にも概説されている。]
[0046] 「性能」は、診断または予後テストの全体的な有用性と品質に関する用語であり、それは、特に臨床や分析の正確さ、他の分析やプロセスの特徴、例えば、使用特徴(例えば、安定性、使いやすさ)、健康経済価値、およびテストの構成要素の相対的なコストを含む。これらの要因のどれもが、優れた性能と従ってテストの有用性の源となる場合があり、関連するものとして、例えば、AUC、結果達成までの期間、貯蔵寿命、その他などの適切な「性能尺度」により測定され得る。]
[0047] 「陽性予測値」または「PPV」は、TP/(TP+FP)またはすべての陽性試験結果の正確な正の分数によって計算される。それは、また、疾患の罹患率と検査を受ける予定の母集団の予備試験の確率により本質的に影響を受ける。]
[0048] 本発明の文脈における「リスク」は、再発性がんへの移行の場合のように、ある事象が特定の期間にわたり起こる確率に関し、そして、対象の「絶対的」リスクまたは「相対的」リスクを意味する場合がある。絶対的リスクは、該当する時間コホートに関する実際の観察後測定を参照するか、または該当する期間追跡されている統計学的に有効な歴史的コホートから形成された指数値を参照するか、いずれかにより測定することができる。相対リスクは、低リスクのコホートの絶対的リスクまたは平均母集団リスクのいずれかと比較した対象の絶対的リスクの比率を意味し、そして、これは臨床危険因子が評価される方法によって変わる場合がある。オッズ比、すなわち、所定の試験結果についての陰性事象に対する陽性事象の割合もまた、無変換に対して一般的に用いられる(オッズは、式p/(1−p)に従い、ここで、pは事象の確率であり、(1−p)は、無事象の確率である)。]
[0049] 本発明の文脈における「リスク評価」または「リスクの評価」とは、事象または疾患状態が起こる確率、オッズ、または尤度、事象またはある疾患状態から別の状態への移行の起こる割合、すなわち、原発腫瘍から転移腫瘍もしくは転移を発症するリスクのある腫瘍への移行、または原発性転移事象のリスクからさらに2次性転移事象もしくはがんの再発に対する寛解状態への移行の予測をすることを包含する。リスク評価は、以前に測定された母集団を参照しながら絶対的または相対的な用語で、将来の臨床パラメーター、従来の実験室危険因子値、または他のがん指数の予測を含むこともできる。本発明の方法は、がん再発のリスクの連続変数または離散変数測定をするために使用してもよく、その結果、がん再発のリスクがあるとして定義された対象の範疇の危険範囲を診断し、定義し得る。離散変数を用いて構築したモデルのシナリオでは、本発明は、正常な対象群とがん再発のより高いリスクの他の対象コホートとを判別するのに使用できる。そのような異なる使用は、異なるTNBCMARKERの組み合わせや、個性パネル、数学的アルゴリズム、および/またはカットオフ点を必要とするかもしれないが、それぞれの意図する使用のための正確さと性能の同じ前記の測定を受けることが可能である。]
[0050] 本明細書の文脈における「サンプル」は、対象から単離された生物学的サンプルであり、例えば、限定されるものではないが、組織生検、全血、血清、血漿、血液細胞、内皮細胞、リンパ液、腹水、間質液(「細胞外液」としても既知であり、特に歯肉溝滲出液を含む、細胞間の空間に見出される液を含む)、骨髄、脳脊髄液(CSF)、唾液、粘液、喀痰、汗、尿、または任意の他の分泌物、排泄物、もしくは他の体液が挙げられる。]
[0051] 「感度」は、TP/(TP+FN)により計算されるか、または疾患対象の真の陽性の割合である。]
[0052] 「特異度」は、TN/(TN+FP)により計算されるか、または非疾患の、または正常な対象の真の陰性の割合である。]
[0053] 「統計的に有意である」とは、変化が偶然だけで起こる(それは、「偽陽性」であり得る)ことが予想されうるよりも大きいことを意味する。統計的有意性は、当該分野で知られている任意の方法によって決定することができる。p−値は、実験中の群間の差が偶然によって起こった確率の指標である。(P(z≧z実測))。例えば、0.01のp−値は、結果が偶然に起きた確率が100分の1であることを意味する。p−値が小さくなればなるほど、群間の差が治療によって引き起こされた可能性がより高くなる。p−値が少なくとも0.05である場合に、変化は統計的に有意である。好ましくは、p−値は0.04、0.03、0.02、0.01、0.005、0.001以下である。]
[0054] 「対象」は、本発明の文脈において、好ましくは哺乳類である。哺乳類は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、またはウシでありうるが、これらの例に限定されない。ヒト以外の哺乳類は、腫瘍再発の動物モデルとなる対象として好都合に使用されうる。対象はオスまたはメスでありうる。対象は、原発性腫瘍、再発性腫瘍または転移性腫瘍を有するとして以前に診断または確定されており、場合により腫瘍の治療的介入をすでに受けた、または受けている対象でありうる。あるいは対象は、再発性腫瘍を有するとして以前に診断されていない対象でもありうる。例えば、対象は、再発性腫瘍の1つ以上の危険因子を示す対象でありうる。]
[0055] 「TN」は、真の陰性であり、それは疾患状態の試験に関して、非疾患または正常な対象を正しく分類することを意味する。]
[0056] 「TP」は、真の陽性であり、それは疾患状態の試験に関して、疾患の対象を正しく分類することを意味する。]
[0057] 「従来の実験室危険因子」は、対象サンプルから分離された、または対象サンプルに由来するバイオマーカーに対応し、そして、それは現在、臨床検査室で評価されて、従来の包括的なリスク評価アルゴリズムで使われている。腫瘍再発の従来の実験室危険因子は、例えば、[ADD]増殖指数、腫瘍浸潤リンパ球を含む。腫瘍再発の他の従来の実験室危険因子が当業者に知られている。]
[0058] 本発明の方法と用途
本明細書で開示された方法は、トリプルネガティブ乳がんの再発を発症するリスクがある対象で、トリプルネガティブ乳がんとすでに診断された、または診断されなかった対象で、およびトリプルネガティブ乳がんの処置および/または治療を受けている対象で使われる。本発明の方法は、また、トリプルネガティブ乳がんを有する対象のために治療レジメンをモニターまたは選択するために、そして、以前にトリプルネガティブ乳がんを有すると診断されなかった対象をスクリーニングするためにも使用することができる。治療レジメンは、例えば、限定されるものではないが、アントラサイクリン類、メトトレキサートなどの抗代謝物質、放射線、タキソール類、白金類、およびそれらの組み合わせを含む。]
[0059] 好ましくは、本発明の方法は、がん再発に対して無症候である対象を同定および/または診断するのに用いられる。「無症候性」は、従来の徴候を示していないことを意味する。]
[0060] 本発明の方法は、また、がん再発を発症するより大きなリスクがすでにある対象を同定および/または診断するのに用いられるか、単に従来の危険因子だけに基づいて対象を同定および/または診断するのに用いられる。]
[0061] トリプルネガティブ乳がんの再発を有する対象は、対象由来サンプルで有効数のTNBCMARKERの量(有無を含む)を測定することにより確認することができ、そして、それから、その量が参照値と比較される。参照値と比較された、バイオマーカー(例えばタンパク質、ポリペプチド、核酸、およびポリヌクレオチド)の発現の量およびパターンの変化、タンパク質、ポリペプチド、核酸、およびポリヌクレオチド、変異タンパク質、変異ポリペプチド、変異核酸、および変異ポリヌクレオチドの多型、または対象サンプル中の代謝物質もしくは他の分析物の分子の量の変化が、それから確認される。有効数によって、トリプルネガティブ乳がんがある対象でがん再発を直接予測するために測定される必要がある構成成分の数を意味する。望ましくは、構成成分は、最低75%の正確さ、より望ましくは、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%以上の正確さでがん再発を予測するために選択される。]
[0062] 参照値は、限定されるものではないが、同じがんにかかっているそのような対象、同じであるか同様の年齢の範囲を有する対象、同じであるか同様の民族集団の対象、がんの家族歴がある対象を含む母集団研究に由来する数または値に対して相対的であり得るか、がんの治療を受けている対象の初めのサンプル対して相対的であり得る。そのような参照値は、統計分析および/またはがん再発の数学的なアルゴリズムと計算された指数から得られる母集団のリスク予測データに由来することができる。参照TNBCMARKER指数は、また、アルゴリズムと統計および構造分類の他の方法を使用して構成されて使われることもできる。]
[0063] 本発明の1つの実施形態では、参照値は、トリプルネガティブ乳がんの再発を発症するリスクにさらされていないか、またはそのリスクの低い1つ以上の対象に由来する対照サンプルのTNBCMARKERの量である。本発明の別の実施形態では、参照値は、トリプルネガティブ乳がんに対して無症候性であるか、および/または従来の危険因子を欠如している1つ以上の対象に由来する対照サンプルのTNBCMARKERの量である。さらなる実施形態において、そのような対象は、モニターされるか、および/またはトリプルネガティブ乳がんの継続した非存在(病気または事象のない生存率)を確かめるために、そのようなテストの後で診断的に関連した期間(「長期的な研究」)の間、定期的に再試験される。そのような期間は、参照値の決定のための最初の試験日から1年、2年、2〜5年、5年、5〜10年、10年、または10年以上であってよい。さらにまた、適切に並べられた従来の対象サンプルでのTNBCMARKERの遡及的な測定値が、これらの参照値を確立する際に使うことが可能であり、その結果、必要とする試験期間を短縮する。]
[0064] 参照値は、がんの処置および/または治療の結果として危険因子の改善を示す対象に由来するTNBCMARKERの量を含むこともできる。参照値は、がんの処置および/または治療の結果として危険因子の改善を示す対象に由来するTNBCMARKERの量を含むこともできる。既知の侵襲性であるか非侵襲性の技術によって病気を確認した対象、またはトリプルネガティブ乳がんを発症させることのリスクが高い対象、あるいは、トリプルネガティブ乳がんに罹患している対象に由来するTNBCMARKERの量を含むこともできる。]
[0065] 別の実施形態において、参照値は、指数値またはベースライン値である。指数値またはベースライン値は、トリプルネガティブ乳がんに罹患していない1つ以上の対象またはトリプルネガティブ乳がんに無症候の対象からの有効量のTNBCMARKERの複合サンプルである。ベースライン値は、また、がんの処置および/または治療の結果としてトリプルネガティブ乳がんの危険因子の改善を示した対象に由来するサンプルでのTNBCMARKERの量を含むこともできる。この実施形態では、対象由来のサンプルと比較するために、TNBCMARKERの量は、同じように計算されて、指数値と比較される。場合により、トリプルネガティブ乳がんを有するとして確認された、またはトリプルネガティブ乳がんを発症するリスクが増加した対象は、トリプルネガティブ乳がんの進行を減速するために、あるいはトリプルネガティブ乳がんを発症させるリスクを減少もしくは予防するために、治療レジメンを受け入れるように選択される。]
[0066] トリプルネガティブ乳がんの進行またはがん治療レジメンの有効性は、経時的に対象から得られるサンプルの有効量(それは、2つ以上であってよい)でのTNBCMARKERを検出し、検出されたTNBCMARKERの量を比較することによってモニターされることができる。例えば、第1のサンプルは、対象の治療前に得ることができ、そして、1つ以上のそれ以降のサンプルは、対象の治療の後、または、治療の間に採取される。TNBCMARKERの量が参照値と比較して経時的に変わるならば、がんは進行している(あるいはまた、治療が進行を防止していない)と考えられるのに対し、TNBCMARKERの量が、経時的に一定のままである(参照母集団と比較して、または本明細書で使用される「一定」)ならば、がんは進行性ではない。本発明の文脈で使用される「一定」という用語は、参照値に関して経時的変化を含むものと解釈される。]
[0067] さらに、特定の対象への投与に適した治療薬剤または予防薬剤は、対象から得られるサンプルでの有効量(それは、2つ以上である場合がある)のTNBCMARKERの1つ以上を検出し、対象由来サンプルを対象由来サンプル中でのTNBCMARKERの量(それは、2つ以上である場合がある)を決定する試験化合物に曝露することにより確認することができる。したがって、がんを有する対象またはトリプルネガティブ乳がんまたはトリプルネガティブ乳がんの再発を発症するリスクのある対象での使用のための処置または治療レジメンは、対象から得られたサンプルでのTNBCMARKERの量に基づいて選択され、そして、参照値と比較されることができる。2つ以上の処置または治療レジメンは、どの処置または治療レジメンが発病を遅らせる、またはがんの進行を減速させるために対象で使用するのに最も有効であるのかを決定するために並行して評価することができる。]
[0068] 本発明は、対象由来サンプル中の1つ以上のTNBCMARKERを測定し、参照サンプル中のTNBCMARKERの量を比較して、参照サンプルと比較して対象サンプル中の量の変化を確認することによって、トリプルネガティブ乳がん関連マーカー発現における変化をスクリーニングするための方法をさらに提供する。]
[0069] 参照サンプル、例えば、対照サンプルが、トリプルネガティブ乳がんがない対象からであるならば、あるいは、参照サンプルが、トリプルネガティブ乳がんの再発に急速な進行の高い尤度があるヒトと比較した値を反映するならば、試験サンプルと参照サンプルのTNBCMARKERの量の類似性は、治療が有効なことを示す。しかし、試験サンプルと参照サンプルのTNBCMARKERの量に違いがあることは、それほど好ましくない臨床帰結と予後を示す。]
[0070] 「有効な」によって、治療がTNBCMARKERタンパク質、核酸、多型、代謝物質、または他の分析物の量または活性の減少につながることを意味する。本明細書で開示される危険因子の評価は、標準的な臨床プロトコルを使って達成することができる。有効性は、トリプルネガティブ乳がんを診断、確認、または治療するための任意の既知の方法と関連して決定されることができる。]
[0071] 本発明は、また、TNBCMARKERタンパク質、核酸、多型、代謝物質、または他の分析物のうちの2つ以上と結合する検出試薬を有するキットを含むこともできる。検出試薬、例えば、2つ以上のTNBCMARKERタンパク質または核酸とそれぞれ結合することができる抗体および/またはオリゴヌクレオチドの配列も、本発明によって提供される。]
[0072] また、本発明により、1つ以上の対象からのサンプルに存在するTNBCMARKERの有効量の変化した量の存在を検出し;そして、TNBCMARKERの変化した量または活性が転移性疾患になるためには低いリスクの1つ以上の対象で、あるいはまた、転移性疾患のための任意の従来の危険因子を示さない対象で測定されるベースライン値に戻るまで、1つ以上の対象を1つ以上のがん調節薬で治療することにより、トリプルネガティブ乳がんの再発を発症させるリスクのある1つ以上の対象を治療するための方法が提供される。]
[0073] また、本発明により、1つ以上の対象からのサンプルに存在するTNBCMARKERの有効量の変化したレベルの存在を検出し;そして、TNBCMARKERの変化した量または活性が、がんの再発を発症するには低いリスクの1つ以上の対象で測定されるベースライン値に戻るまで、トリプルネガティブ乳がんを有する1つ以上の対象を1つ以上のがん調節薬で治療することにより、トリプルネガティブ乳がんを有する1つ以上の対象を治療するための方法が提供される。]
[0074] また、本発明により、第1の期間の対象からの第1のサンプルでの有効量のTNBCMARKER(2つ以上でもよい)を検出し;第2の期間の対象からの第2のサンプルでのTNBCMARKERの量のレベルを検出し;そして、第1および第2期間で検出されたTNBCMARKERの量を比較することにより、がんと診断された対象でのトリプルネガティブ乳がんの再発を発症するリスクの変化を評価するための方法が提供される。]
[0075] 本発明の診断および予後適応
本発明は、トリプルネガティブ乳がんの診断および予後を可能にする。トリプルネガティブ乳がんまたはトリプルネガティブ乳がんの再発を発症するリスクは、試験サンプル(例えば対象由来サンプル)中の有効量のTNBCMARKERタンパク質、核酸、多型、代謝物質、および他の分析物(それは2つ以上であってよい)を測定し、そして、複数の個々のTNBCMARKERの結果および非分析物の臨床パラメーターからの情報を単一の測定値または指数にまとめるために、しばしば数学的アルゴリズムまたは式を利用して、有効量を参照値または指数値と比較することによって検出されうる。トリプルネガティブ乳がんのリスク上昇を有するとして識別された対象は、場合により、治療レジメン、例えば、トリプルネガティブ乳がんまたはトリプルネガティブ乳がんの再発の発症を予防または遅延するための予防または治療化合物の投与などの治療レジメンを受け入れるよう選択されうる。]
[0076] TNBCMARKERタンパク質、核酸、多型、代謝物質、または他の分析物の量は、試験サンプル中で測定することができ、カットオフ点と異常値を定めるために、参照限度、差別限度または閾値を定めているリスクなどの技術を利用して「正常対照レベル」と比較されうる。「正常対照レベル」は、トリプルネガティブ乳がんに罹患していない対象で典型的に見られる1つ以上のTNBCMARKERまたは複合TNBCMARKER指数のレベルを意味する。そのような正常対照レベルとカットオフ点は、TNBCMARKERが単独で、または他のTNBCMARKERと組み合わせて指標とする手法で使われるかどうかに基づいて変動するかもしれない。あるいは、正常対照レベルは、臨床的に関連した時間範囲にわたりトリプルネガティブ乳がん再発を発症しなかった以前に試験された対象からのTNBCMARKERパターンのデータベースであり得る。]
[0077] 本発明は、トリプルネガティブ乳がん再発への転換のリスクの連続変数または離散変数測定をするために使用してもよく、その結果、がん再発のリスクがあるとして定義された対象の範疇の危険範囲を診断し、定義する。離散変数測定のシナリオでは、本発明の方法は、正常対象コホートと疾患対象コホートとを判別するために使用できる。他の実施形態において、本発明は、がん再発へより急速に進行している人(あるいは、がん再発までのより短い見込みの時間範囲の人)あるいはずっとゆっくり進行している人(または、がん再発までのより長い時間範囲で)からがん再発のリスクのある人の判別、または正常人からがん再発を有する人を判別するために使用してもよい。そのような異なった使用には、個体パネル中の異なったTNBCMARKERの組み合わせ、数学的アルゴリズム、および/またはカットオフ点が必要となる場合があるが、それぞれの意図された使用のために関連した正確さと他の性能測定の同じ前記測定に付すことが可能である。]
[0078] トリプルネガティブ乳がんを有するリスクのある対象を識別することは、がん再発への対象の移行を遅延、低減または防止するための種々の治療介入または治療レジメンの選択および開始を可能にする。TNBCMARKERタンパク質、核酸、多型、代謝物質、または他の分析物の有効量のレベルはまた、トリプルネガティブ乳がんまたはがん再発の治療の経過をモニタリングすることを可能とする。この方法において、生物学的試料は、がんに対する治療レジメン、例えば、薬物療法を受けている対象から提供できる。所望により、生物学的試料は治療の前、最中、または後の種々の時点において対象から得られる。]
[0079] TNBCMARKERが機能的に活性であることによって、その機能を解明することによって、高いTNBCMARKERを有する対象は、例えば、そのような経路を優先して標的とする薬剤/薬物で管理されることができる。]
[0080] 本発明は任意の数量のセッティングにおいて患者または対象の集団をスクリーニングするためにも使用できる。例えば、保健維持機構、公的な保健所または学校の健康プログラムは、上記した通り介入を必要とする者を識別するため、または疫学的データの収集のために、対象の群をスクリーニングできる。保険会社(例えば健康、生命、または障害)は、補償範囲の決定または価格設定の過程において申込人を、あるいは既存の被保険者を、可能な介入に関してスクリーニングしてよい。そのような集団スクリーニングにおいて収集されたデータは、特にがん、またはがん再発のような状態への何れかの臨床上の進行に関連付けられた場合に、例えば、保健維持機構、公的健康プログラムおよび保険会社の運営において価値あるものとなる。そのようなデータアレイまたは収集物は、機械読み取り可能な媒体中に格納することができ、そして向上した保健医療サービス、経費効率的な保健医療、向上した保険運営などを提供するための何れかの数量の健康関連データ管理システムにおいて使用できる。例えば、米国特許出願第2002/0038227号明細書;米国特許出願第2004/0122296号明細書;米国特許出願第2004/0122297号明細書;および米国特許第5,018,067号明細書を参照できる。そのようなシステムは、内部のデータ格納部から直接、または本明細書において更に詳細する通りデータ格納サイトの1つ以上から遠隔において、データにアクセスすることができる。]
[0081] 機械読み取り可能な格納媒体は、上記データを使用するための命令によりプログラムされた機械を使用した場合、限定しないが、がん再発危険因子に関する経時的な、または薬物療法に応じた対象情報などの種々の目的のために使用可能である機械読み取り可能なデータまたはデータアレイでコード化されたデータ格納物質を含むことができる。本発明のバイオマーカーの有効量の計測および/またはこれらのバイオマーカーによるリスクの結果評価は、とりわけ、プロセッサ、データ格納システム(揮発性および不揮発性メモリおよび/または格納素子を包含)、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスを含むプログラム可能なコンピュータ上で実行するコンピュータプログラムに実装できる。プログラムコードは、上記の機能を実行し、出力情報を生成するために入力データに適用できる。出力情報は、当該分野で知られている方法に従って1つ以上の出力デバイスに適用できる。コンピュータは、例えば、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、または通常設計のワークステーションであってよい。]
[0082] 各々のプログラムは、コンピュータシステムと通信するため、高水準の手続き型またはオブジェクト指向プログラミング言語で実装できる。しかしながら、プログラムは、所望であればアセンブリまたは機械語で実装できる。言語は、コンパイルされたまたはインタプリタされた言語であってよい。各々のこのようなコンピュータプログラムは、格納媒体またはデバイスが本明細書に記載された手続きを実行するためにコンピュータにより読み出された際、コンピュータを構成しかつ、操作するために、一般的または特殊目的のプログラム可能なコンピュータにより読み取り可能な格納媒体またはデバイス(例えば、ROMまたは磁気ディスケットまたは本開示中の他の場所で定義された他のもの)上に格納できる。本発明の健康関連データ管理システムは、また、コンピュータプログラムで構成されたコンピュータ読み取り可能な格納媒体として実装されるように考慮されてよく、このように構成された格納媒体は、本明細書に記載された種々の機能を実行する特定かつ予め定められた方法でコンピュータを操作する。]
[0083] その後、TNBCMARKERタンパク質、核酸、多型、代謝物質、または他の分析物の有効量のレベルを決定でき、かつ、参照値、例えば、対照の対象またはその転移状態が既知である集団または指数値またはベースライン値と比較できる。参照試料または指数値もしくはベースライン値は、治療を施した1つ以上の対象から取得または誘導されてよく、またはがんもしくはがん再発を発症するリスクの低い1つ以上の対象から取得または誘導されてよく、または治療を施した結果として改善を示した対象から取得または誘導されてよい。あるいはまた、参照サンプルまたは指数値もしくはベースライン値は、治療を施さなかった1つ以上の対象から取得されまたは誘導されてよい。例えば、サンプルは、がんまたは転移事象の初期治療および治療の進行をモニターするためのがんまたはがん再発の継続治療を受けた対象から収集されてよい。参照値はまた、リスク予測アルゴリズムまたはここで開示されたような集団研究からの計算指数から誘導された値であってよい。]
[0084] 従って、本発明のTNBCMARKERは、トリプルネガティブ乳がんを有しないか、トリプルネガティブ乳がんの再発のリスクのない、またはがんもしくはがんの再発を発症しそうにないそれらの対象の「参照TNBCMARKERプロファイル」を生成するために使用することができる。本明細書で開示されたTNBCMARKERは、また、がんを有するか、またはがんの再発のリスクのある対象から取得される「参照TNBCMARKERプロファイル」を生成するために使用することができる。対象TNBCMARKERプロファイルは、がんもしくはがんの再発を発症するリスクのある対象を診断または識別するために、疾病の進行速度と同様、疾病の進行をモニターするために、そして治療法の効果をモニターするために、参照TNBCMARKERプロファイルと比較することができる。本発明の参照および対象TNBCMARKERプロファイルはまた、限定されないが、特に、VCRにより読み取り可能なアナログテープ、CD−ROM、DVD−ROM、USBフラッシュ媒体などの機械読み取り可能な媒体中に含まれることができる。このような機械読み取り可能な媒体は、また、限定されないが、臨床パラメーターおよび従来の実験室危険因子の測定などの追加の試験結果も含むことができる。代替として、または追加的に、機械読み取り可能な媒体はまた、病歴および全ての関連家族歴などの対象情報も含むことができる。機械読み取り可能な媒体はまた、本明細書に記載したような他の疾患−リスクアルゴリズムおよび計算された指数に関係する情報も含むことができる。]
[0085] 対象の遺伝的特質における相違は、がんまたはがんの再発の徴候または危険因子を調節し得る種々の薬剤を代謝するそれらの相対的な能力における相違をもたらす場合がある。がん、またはがんもしくはがん再発を発症するリスクを有する対象は、年齢、民族、および他のパラメーターにおいて変動する場合がある。従って、単独および薬剤代謝の既知の遺伝子的因子と組み合わせた場合の両方における本明細書に開示したTNBCMARKERの使用は、選択された対象において試験されるべき推定上の治療薬または予防薬が対象におけるがんまたはがん再発を治療または予防するために適している所定レベルの確率を可能とする。]
[0086] 特定の対象に対して適切である治療薬または薬物を同定するためには、対象由来の試験サンプルを治療薬または薬物に曝露することもでき、そして1つ以上のTNBCMARKERタンパク質、核酸、多型、代謝物質、または他の分析物の濃度を測定することができる。1つ以上のTNBCMARKERのレベルは、治療または治療薬または薬物への曝露の前および後に対象由来のサンプルと比較することができるか、あるいは、そのような治療または曝露の結果として危険因子(例えば、臨床パラメーターまたは従来の実験室危険因子)の改善を示している1つ以上の対象に由来するサンプルと比較することができる。]
[0087] 対象細胞(即ち、対象から単離した細胞)は、候補薬剤の存在下にインキュベートすることができ、そして試験サンプル中のTNBCMARKERの発現のパターンを計測し基準プロファイル、例えば、転移性疾患基準発現プロファイルもしくは非疾患基準発現プロファイルまたは指数値もしくはベースライン値と比較する。被験薬剤は、任意の化合物もしくはその組成物またはその組み合わせであることができ、栄養補助食品を含む。例えば、被験薬剤は、がんの治療レジメンで頻繁に使用され、そして本明細書に記載される。]
[0088] 本発明の前記の方法は、がんと診断されて外科的介入を受けた対象の進行および/または改善を評価またはモニターするのに用いることができる。]
[0089] 本発明の性能および正確さの尺度
本発明の性能およびそれによる絶対的または相対的な臨床上の有用性は、上記した多数の方法において評価することが可能である。性能の種々の評価のうち、本発明は臨床上の診断および予後における正確さを提供することを意図している。診断または予後の試験、アッセイまたは方法の正確さは、TNBCMARKERのレベルにおいて「有効量」または「有意な変化」を対象が有するかどうかに基づいて、がんまたはトリプルネガティブ乳がんもしくはトリプルネガティブ乳がんの再発のリスクがある対象の間での区別を行う試験、アッセイ、または方法の能力にかかわってくる。「有効量」または「有意な変化」とは、適切な数のTNBCMARKER(それは、1つ以上であってよい)の測定値が、そのTNBCMARKER(S)のための予め定められたカットオフ点(または閾値)とは異なり、したがって、対象ががんを有するか、またはTNBCMARKER(S)がTNBCMARKERである転移性事象を有するというリスクがあることを意味する。正常および異常の間のTNBCMARKERのレベルの相違は、好ましくは統計学的に有意である。以下に述べられるように、そして、本発明の如何なる限定もなしに、統計的有意性とこのように好ましい分析的および臨床的正確さを達成することは、常時ではないが一般的には、統計学的に有意なTNBCMARKER指数を達成するために、数種のTNBCMARKERの組み合わせをパネルでともに使用し、そして数学的アルゴリズムと組み合わせることが必要である。]
[0090] 疾患状態の断定的な診断においては、試験(またはアッセイ)のカットポイントまたは閾値の変更は、通常は感度および特異度を、ただし定性的には逆の関係において変更する。従って、対象の状態を評価するための提案される医学的な試験、アッセイ、または方法の正確さおよび有用性を評価する場合、感度および特異度の両方を常時考慮する必要があり、そして、感度および特異度は、カットポイントの範囲にわたって有意に変動する場合があるため、感度および特異度が報告されている水準においてカットポイントが何であるかに留意しなければならない。全ての潜在的なカットポイント値を包含するAUCなどの統計値の使用は、本発明を用いた大部分の離散変数リスクの尺度に対して好ましいが、連続変数リスクの尺度に関しては、適合度の検定の統計値および観察結果の較正または他の基本的基準が好ましい。]
[0091] そのような統計値を用いた場合、「診断の正確さの許容可能な程度」は、本明細書においては、AUC(試験またはアッセイに関するROC曲線の下部の面積)が少なくとも0.60、望ましくは少なくとも0.65、より望ましくは少なくとも0.70、好ましくは少なくとも0.75、より好ましくは少なくとも0.80、そして最も好ましくは少なくとも0.85である、試験またはアッセイ(例えば、それによりがんおよび/またはがん再発のリスクの存在を示すTNBCMARKERの臨床上有意な存在を測定するための本発明の試験)として定義される。]
[0092] 「診断の正確さの極めて高い程度」とは、AUC(試験またはアッセイに関するROC曲線の下部の面積)が少なくとも0.75、0.80、望ましくは少なくとも0.85、より望ましくは少なくとも0.875、好ましくは少なくとも0.90、より好ましくは少なくとも0.925、そして最も好ましくは少なくとも0.95である試験またはアッセイを意味する。]
[0093] 任意の試験の予測値は、試験の感度および特異度、ならびに試験すべき集団における状態の罹患率の両方に依存している。Bayesの定理に基づけば、この考え方は、スクリーニングの目的である状態が個体または集団において存在する尤度(試験前確率)が高いほど、陽性結果の有効性が高くなり、そして結果が真に陽性である尤度が高くなるとするものである。即ち、状態が存在する尤度が低値である何れかの集団において何れかの試験を使用することに伴う問題点は、陽性結果がより限定された価値を有すること(即ち陽性試験値が偽陽性である可能性がより高いこと)である。同様に、極めて高いリスクを有する集団においては、陰性の試験結果は,偽陰性である可能性がより高い。]
[0094] その結果、ROCおよびAUCは、低い罹患率の試験済み母集団(1年につき1%未満の出来事(発生率)の母集団として、または特定の時間範囲での10%未満の累積罹患率の母集団として定義される)において、試験の臨床有用性に関して誤解を招くおそれがある。あるいはまた、臨床有用性の程度を判定するために、本開示の別の箇所で定義される絶対および相対リスク比を利用することができる。試験される対象の母集団も試験測定値により四分位数へ分類可能であり、そこでは、上位四分位数(母集団の25%)は、がんまたは転移事象を発症する最も高い相対リスクを有する対象の群を含み、そして、下位四分位数は、がんまたは転移事象を発症する最も低い相対リスクを有する対象の群を含む。一般に低い罹患率の母集団における上位四分位数から下位四分位数への2.5倍を超える相対リスクを有する試験またはアッセイから導出された値は、「高度の診断精度」を有すると見なされ、そして、各四分位数について5〜7倍の相対リスクを有するそれらは非常に高度の診断の正確さを有すると見なされる。それにもかかわらず、各四分位数についてわずか1.2〜2.5倍の相対リスクを有する試験またはアッセイから導出された値は、臨床的に有用なままであり、疾患のリスク因子として広範に使用される;そのようなことは、総コレステロールを伴う、そして将来の転移事象の予測に関する多くの炎症バイオマーカーに対する場合である。前記の包括的なリスク評価指標でされているように、しばしば、そのような低い診断の正確さの試験は、治療干渉のために意味がある臨床閾値を引き出すために、さらなるパラメーターと結合されなければならない。]
[0095] 健康経済効用関数は、ある試験の性能および臨床上の価値を測定するさらに別の手段であり、各々に関する臨床上および経済的な価値の実際の測定に基づいて潜在的な離散変数の試験の帰結を考量することよりなる。健康経済性能は、健康経済効用関数が正確な分類の利益に関する経済的な価値および試験された対象の誤分類の経費を特に割りつけているため、正確さに緊密に関連している。性能の尺度として、試験の標的価格を超えた試験当たりの健康経済価値(試験費用に優先)における向上をもたらす性能のレベルを達成することが試験に要求されることは稀ではない。]
[0096] 一般的に診断の正確さを測定する代替の方法は、通常、連続測定に関して使用されており、その場合、疾患区分またはリスク区分(例えば、がん再発を有するリスクのある人)は、該当する医師会および医療の実践によっては明確に定義されておらず、その場合、治療上の使用の閾値は確立されていないか、または前疾患の診断に関わる既存の基本的基準が存在しない。リスクの連続測定のためには、計算された指数に関する診断上の正確さの尺度は典型的には予測された連続値と実際の観測値(または従来の指数計算値)の間の曲線適合および較正に基づいており、そしてR二乗、Hosmer−LemeshowのP−値統計値および信頼区間などの尺度を利用する。そのようなアルゴリズムを使用した予測値に関しては、Genomic Health,Inc.(RedwoodCity,CA)により商業化された将来の乳がん再発のリスクに関する試験の場合のように、歴史的に観察されているコホートの予測に基づいた信頼区間(通常は90%または95%CI)を包含するように報告されることは稀ではない。]
[0097] 一般的に、診断の正確さの程度、即ちROC曲線上のカットポイントを定義することにより、許容されるAUC値を定義すること、そして本発明のTNBCMARKERの有効量を構成するものの相対的濃度における許容可能な領域を測定することは、予測可能性および性能の所定のレベルを有する対象の確認、診断または予後のために当業者がTNBCMARKERを使用することを可能とする。]
[0098] 臨床アルゴリズムの構築
TNBCMARKERの結果を組み合わせて本発明の実施において有用な指数とするために何れかの式を使用してよい。上記した通り、そして限定しないが、そのような指数は、種々の他の適応症のうち、ある疾患から別の疾患への移行の確率、尤度、絶対的または相対的なリスク、そこに至るまでの時間または速度を示すか、あるいは、転移性疾患のさらなるバイオマーカー計測の予測を行う場合がある。これは特定の期間または時間範囲に関するか、または余命におけるリスクに関するものであってよく、あるいは単に別の基準対象母集団と相対比較した場合の指数として提供されてよい。]
[0099] 種々の好ましい式を本明細書に記載したが、本明細書において言及した、そして上記した定義に属するものを超えた数種の他のモデルおよび式の型も当業者に周知である。使用される実際のモデル型または式は、それら自体、訓練集団におけるその結果の性能および診断上の正確さの特性に基づいて潜在的なモデルのフィールドから選択してよい。式自体の細目は、一般的には関連する訓練集団におけるTNBCMARKER結果から誘導されてよい。他の用途のうち、そのような式は、対象クラスのセットへの1つ以上のTNBCMARKER入力から誘導された特徴空間をマッピングするため(例えば、正常である、転移性事象のリスクがある、がんを有するとして対象のクラスメンバーシップを予測する場合に有用)、Bayes的手法を用いたリスクの確率関数の推定を誘導するため(例えば、がんまたは転移事象のリスク)、またはクラス条件付な確率を推定し、そして次にBayesの規則を使用することにより前の例の場合のようにクラス確率関数を得ることを意図していてよい。]
[0100] 好ましい式は、統計学的分類アルゴリズムの広範なクラス、そして特に判別分析の使用を包含する。判別分析の目的は、予め識別されたセットの特徴からクラスメンバーシップを予測することである。線形判別分析(LDA)の場合は、何らかの基準により群間の分離を最大限にする特徴の線形組み合わせを識別する。特徴は異なる閾値を用いた固有遺伝子系の手順(ELDA)、または多変量分散分析(MANOVA)に基づいたステッピングアルゴリズムを用いながらLDAに関して識別できる。Hotelling−Lawley統計値に基づいた非分離の確率を最小限にする前向き、後ろ向き、および漸進的アルゴリズムを実施できる。]
[0101] 固有遺伝子系線形判別分析(ELDA)は、Shenら(2006)により開発された特徴選択の手法である。式は、最も重要な固有ベクトルに関連する特徴を識別するために改良された固有分析を用いながら多変量のフレームワークにおいて特徴(例えば、バイオマーカー)を選択する。「重要」とは、何らかの閾値と相対比較しながら分類しようと試みるサンプル間の相違における大部分の変動を説明する固有ベクトルとして定義される。]
[0102] サポートベクトルマシン(SVM)は、2つのクラスを分離する超平面を見つけようと試みる分類方式である。この超平面は、サポートベクトル、超平面から隔たった境界距離を正確に示すデータポイントを含む。データの現在の次元に分離超平面が存在しないという可能性の高い事象においては、次元性は元の変量の非線形関数をとることにより、より大きい次元内にデータを投影することにより大きく拡張される(Venables and Ripley,2002)。必要ではないが、SVMに関する特徴をフィルタリングすることにより予測を向上させる場合が多い。特徴(例えば、バイオマーカー)は、最良の多変量特徴を選択するためのノンパラメトリックのKruskal−Wallis(KW)検定を用いながらサポートベクトルマシンに関して識別することができる。ランダムフォレスト(RF、Breiman、2001)または、再帰分割(RPART、Breimanら、1984)もまた最も重要なバイオマーカーの組み合わせを識別するために別個に、あるいは組み合わせて使用できる。KWおよびRFの両方とも多くの特徴が合計から選択されることを必要とする。RPARTは、使用可能なバイオマーカーのサブセットを用いて単一の分類ツリーを形成する。]
[0103] 他の式が、個々のTNBCMARKER計測の結果をより価値ある情報形態に前処理するために、それらを予測式に対する提示前に使用してもよい。最も着目すべきは、集団の平均値を参照しながら正常または他の分散位置として対数またはロジスティックな関数などの何れかの一般的な数学的変換を用いながらバイオマーカー結果の標準化を行うことは、当該分野ですべて良く知られている。特に有利な点は、年齢、性差、人種、または性別などの臨床パラメーターに基づいた標準化のセットであり、その場合、特定の式が、クラス内部で対象に対して単独で、または入力としての臨床パラメーターを組み合わせて連続的に使用される。他の場合においては、分析対象に基づいたバイオマーカーを組み合わせて計算された変数とすることができ、これを後に式に供する。]
[0104] 潜在的に標準化されている1つの対象の個体パラメーター値に加えて、全ての対象または何れかの知られたクラスの対象に関する全体的予測式自体を、D’Agostinoら(2001)JAMA 286:180〜187に概説されている手法、または他の同様の標準化および再較正の手法に従って、集団の期待される的中率に関する調節および平均のバイオマーカーのパラメーター値に基づいて、再較正またはそうでなければ調節してよい。そのような疫学的調節統計値は、機械読み取り可能な、または別様のものであってよいモデルに供された過去のデータの登録物を介して連続的に、または格納されたサンプルの遡及的なクエリまたはそのようなパラメーターおよび統計値の過去の試験の参照を介して間欠的に、捕捉、確認、改良および更新してよい。式の再較正または他の調節の対象であってよい追加の例は、オッズ比の限界に関するPepe,M.S.ら、2004;ROC曲線に関するCook,N.R.,2007による研究において使用された統計値を含む。最後に、分類式自体の数的結果は、それを実際の臨床集団と試験結果および観察されたエンドポイントに対して比較参照することにより処理後に変換してよく、これにより、絶対リスクに対する較正を行い、そして、分類子またはリスク式の変動する数的結果に関する信頼区間を得ることができる。これの1例は、Oncotype Dx product of Genomic Health, Inc.(RedwoodCity,CA)における再発スコア式の出力を参照しながら選択された実際の臨床試験を用いて誘導した、絶対リスク、およびそのリスクに関する信頼区間の提示である。さらなる修正は、分類子またはリスク式の出力に基づいた、そして年齢または性別などのそれらの臨床パラメーターにより定義および選択された試験のより小さいサブ集団に関して調節することである。]
[0105] 臨床パラメーターと従来の実験室危険因子の組み合わせ
前記の臨床パラメーターのいずれもが、本発明の実施において使用することが可能である。式へのTNBCMARKER入力として、または特定のTNBCMARKERパネルと式を使用して測定すべき関連母集団を定義する前選択基準として使用されてもよい。上記したように、臨床パラメーターは、また、バイオマーカー標準化と前処理において、あるいはTNBCMARKER選択、パネル構築、式のタイプ選択と派生、および式結果後処理において使用可能である。同様のアプローチを、従来の実験室危険因子と共に、式への入力としてまたは前選択基準として取ることができる。]
[0106] TNBCMARKERの測定
TNBCMARKERのレベルまたは量の実際の測定は、当該分野で既知のいずれかの方法を使用してタンパク質または核酸レベルで決定できる。例えば、核酸レベルでは、ノーザンおよびサザンハイブリダイゼーション分析はもちろんのこと、これらの配列の1つ以上を特異的に認識するプローブを使用するリボヌクレアーゼ保護アッセイも遺伝子発現を決定するために使用できる。あるいはまた、TNBCMARKERの量は、逆転写ベースPCRアッセイ(RT−PCR)を使用して、例えば、遺伝子の差次的発現配列に特異的なプライマーを使用して、またはPanomics,Inc.による分岐鎖RNA増幅および検出法により測定することができる。TNBCMARKERの量は、タンパク質レベルで、例えば、本明細書に記述される遺伝子産物によってコードされるペプチドのレベルを測定することによって、あるいは例えば、AQUAなどの技術的プラットホームを用いて細胞内局在またはその活性を測定することによって決定することもできる。このような方法は当該分野で周知であり、例えば、遺伝子、アプタマーまたは分子インプリントによってコードされたタンパク質に対する抗体をベースとするイムノアッセイを含む。いずれの生体物質もタンパク質またはその活性の検出/定量化に使用されうる。あるいは、分析された各タンパク質の活性に従って、マーカー遺伝子によってコードされたタンパク質の活性を決定するための適切な方法が選択されうる。]
[0107] TNBCMARKERタンパク質、ポリペプチド、突然変異体、およびその多型は、いずれかの適切な方法で検出されうるが、対象からのサンプルをTNBCMARKERタンパク質、ポリペプチド、突然変異体、および多型に結合する抗体と接触させて、次に反応生成物の有無を検出することによって一般的に検出される。抗体は、上で詳細に議論したように、モノクローナル、ポリクローナル、キメラ、または上記の断片であり、反応生成物を検出する工程は、任意の適切なイムノアッセイによって実施されうる。対象からのサンプルは、一般に、上記のような生物学的液体であり、上記の方法を実施するのに使用した生物学的液体の同じサンプルでもよい。]
[0108] 本発明に従って実施されるイムノアッセイは、同種アッセイまたは異種アッセイでもよい。同種アッセイでは、免疫反応は通常、特異的抗体(例えば、抗TNBCMARKERタンパク質抗体)、標識分析物、および関心のあるサンプルを含む。標識から生じるシグナルは、抗体の標識分析物への結合時に直接または間接的に修飾される。免疫反応およびその範囲の検出は、どちらも均質溶液中で実施されうる。利用されうる免疫化学標識としては、フリーラジカル、放射性同位体、蛍光染料、酵素、バクテリオファージ、または補酵素が挙げられる。]
[0109] 異種アッセイ手法では、試薬は通常、サンプル、抗体、および検出可能なシグナルを生成する手段である。上記のようなサンプルが使用されうる。抗体は、支持体、例えばビーズ(例えばタンパク質Aおよびタンパク質Gアガロースビーズ)、プレートまたはスライドに固定されて、抗原を含有することが疑われる試料と液相中で接触させることができる。支持体を次に液相から分離して、支持相または液相のどちらかを検出可能なシグナルについてこのようなシグナルを生成する手段を使用して検査する。シグナルはサンプル中の分析物の存在に関連付けられる。検出可能な信号を生成する手段としては、放射性標識、蛍光標識、または酵素標識の使用が挙げられる。例えば、検出される抗原が、第2結合部位を含有する場合、その部位に結合する抗体は検出可能な基にコンジュゲートされて、分離工程の前に液相反応溶液に添加されうる。固体支持体での検出可能な基の存在は、試験サンプル中の抗原の存在を示す。適切なイムノアッセイの例は、オリゴヌクレオチド、免疫ブロッティング、免疫蛍光検査法、免疫沈降法、量子ドット法、多重蛍光色素法、化学発光法、電気化学発光法(ECL)または酵素結合イムノアッセイである。]
[0110] 当業者は、本明細書で開示した方法を実施するのに有用でありうる多数の特異的イムノアッセイ形式およびその変形に精通するであろう。一般にE.Maggio,Enzyme−Immunoassay,(1980)(CRCPress,Inc.,Boca Raton,FIa.)を参照;また“Methodsfor Modulating Ligand−Receptor Interactions and their Application”という名称のSkoldらへの米国特許第4,727,022号、“Immunoassay of Antigens”という名称のForrestらへの米国特許第4,659,678号、“Immunometric Assays Using Monoclonal Antibodies”という名称のDavidらへの米国特許第4,376,110号、“Macromolecular Environment Control in Specific Receptor Assays”という名称のLitmanらへの米国特許第4,275,149号、“Reagents and Method Employing Channeling”という名称のMaggioらへの米国特許第4,233,402号、“Heterogenous Specific Binding Assay Employing a Coenzyme as Label”という名称のBoguslaskiらへの米国特許第4,230,767号も参照されたい。]
[0111] 抗体は、既知の技法、例えば、受動的結合に従って、診断アッセイに適切な固体支持体(例えば、タンパク質Aまたはタンパク質Gアガロースなどのビーズ、ミクロスフェア、プレート、スライドあるいはラテックスまたはポリスチレンなどの材料から形成されたウェル)にコンジュゲートされうる。本明細書に記載する抗体は、既知の技法に従って同様に、検出可能な標識または基、例えば、放射性標識(例えば、35S、125I、131I)、酵素標識(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ)、および蛍光標識(例えば、フルオレセイン、アレクサ、緑色蛍光タンパク質、ローダミン)にコンジュゲートされうる。高感度抗体検出戦略は、非増幅された構成における抗原抗体結合の評価を可能とするかもしれない。さらに、抗体は、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされ、ポリメラーゼ連鎖反応と種々のオリゴヌクレオチド検出方法に供されてよい。]
[0112] 抗体は、TNBCMARKERタンパク質、ポリペプチド、突然変異体、および多型の翻訳後修飾、例えば、チロシンリン酸化、トレオニンリン酸化、セリンリン酸化、グリコシル化(例えば、O−GlcNAc)を検出するのにも有用でありうる。このような抗体は、興味のある1つまたは複数のタンパク質中のリン酸化アミノ酸を特異的に検出して、本明細書で記載する免疫ブロッティング、免疫蛍光検査法、およびELISAアッセイで使用されうる。これらの抗体は、当業者に周知であり、市販されている。翻訳後修飾は、リフレクタマトリクス支援レーザ脱離イオン化飛行時間質量分析(MALDI−TOF)で準安定イオンを使用しても測定することができる(Wirth,U.ら、(2002)Proteomics 2(10):1445−51)。翻訳後修飾に加えて、これらのプロセスは、再局在化プロセスがモニターされ、バイオマーカーは、異なるコンパートメントでタンパク質の比率に対する恒久性または変化によって示される相対的な様式で評価されるように、タンパク質の局在化とカップリングしてもよい。腫瘍細胞における核の、核の点状構造の、および細胞質の部位がTNBCMARKERタンパク質のいくつかにとって重要であることは明白である。]
[0113] 酵素活性を有することが知られているTNBCMARKERタンパク質、ポリペプチド、突然変異体、および多型では、活性を当該分野で既知の酵素アッセイを使用してインビトロで決定することができる。このようなアッセイとしては、制限なく、他の多くのアッセイの中でキナーゼアッセイ、ホスファターゼアッセイ、レダクターゼアッセイが挙げられる。酵素活性の動力学の調節は、既知のアルゴリズム、例えば、Hillプロット、Michaelis−Menten式、線形回帰プロット、例えば、Lineweaver−Burk解析、およびScatchardプロットを使用して速度定数KMを測定することによって判定できる。]
[0114] TNBCMARKER配列のデータベースエントリによって与えられる配列情報を使用して、TNBCMARKER配列の発現は、当業者に周知の技法を使用して検出(存在する場合に)および測定される。例えば、TNBCMARKER配列に一致する配列データベースエントリ内の、または本明細書で開示した配列内の配列を使用して、例えば、ノーザンブロットハイブリダイゼーション解析または特異的核酸配列を特異的に、そして好ましくは定量的に増幅する方法において、TNBCMARKERRNA配列を検出するためのプローブを構築できる。別の例として、配列を使用して、例えば逆転写ベースのポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)などの増幅ベース検出方法においてTNBCMARKER配列を特異的に増幅するためのプライマーを構築できる。遺伝子発現の改変が、遺伝子増幅、欠失、多型、および突然変異を伴うとき、試験および参照細胞母集団内の調査されたDNA配列の相対量を比較することによって、試験および参照母集団における配列比較を行うことができる。]
[0115] 本明細書で開示された遺伝子の発現は、当該分野で既知のいずれかの方法を使用してRNAレベルで測定することができる。例えば、これらの配列の1つ以上を特異的に認識するプローブを使用するノーザンハイブリダイゼーション解析を使用して、遺伝子発現を判定できる。あるいは、発現は、例えば差次的発現配列に特異的なプライマーを使用する逆転写ベースPCRアッセイ(RT−PCR)を使用して測定することができる。RNAは、例えば、他の標的増幅方法(例えば、TMA、SDA、NASBA)、またはシグナル増幅法(例えば、bDNA)などを使って定量化することもできる。]
[0116] あるいは、TNBCMARKERタンパク質および核酸代謝物質を測定することができる。「代謝物質」という用語は、代謝過程のいずれかの化学的または生化学的生成物、例えば、生体分子(例えば、タンパク質、核酸、炭水化物、または脂質)の処理、開裂または消費によって生成されたいずれかの化合物を含む。代謝物質は、屈折率分光法(RI)、紫外線分光法(UV)、蛍光分析、放射化学分析、近赤外分光法(近IR)、核磁気共鳴分光法(NMR)、光散乱分析(LS)、質量分析、熱分解質量分析、比濁法、分散ラマン分光法、質量分析と組み合わされたガスクロマトグラフィー、質量分析と組み合わされた液体クロマトグラフィー、質量分析と組み合わされた飛行時間型マトリクス支援レーザ脱離イオン化(MALDI−TOF)、質量分析と組み合わされたイオンスプレー分光法、キャピラリー電気泳動、NMRおよびIR検出を含む、当業者に既知の各種方法で検出することができる(WO04/056456およびWO04/088309を参照、それらの各々は、その全体が引用により本明細書に取りこまれる)。この点で他のTNBCMARKER分析物は、上述の検出方法、または当業者に既知の他の方法を使用して測定することができる。例えば、循環するカルシウムイオン(Ca2+)は、特に、Fluoシリーズ、Fura−2A、Rhod−2などの蛍光色素を用いて、サンプル中で検出することができる。他のTNBCMARKER代謝物質は、そのような代謝物質を検出するために特別に設計され、または仕立てられた試薬を使用して、同様に検出することができる。]
[0117] キット
本発明は、また、TNBCMARKER検出試薬、例えば、1つ以上のTNBCMARKER核酸を、TNBCMARKER核酸またはTNBCMARKER核酸によりコードされたタンパク質に対する抗体の一部に対して相補性であるオリゴヌクレオチド配列などの相同核酸配列をキットの形態で共に包装されて有することにより、特異的に同定する核酸も含む。オリゴヌクレオチドは、TNBCMARKER遺伝子の断片でありうる。例えば、オリゴヌクレオチドは、長さが200、150、100、50、25、10、またはそれ以下のヌクレオチドでありうる。キットは、特に、個別の容器内に核酸または抗体(固体マトリクスにすでに結合されているか、またはそれらをマトリクスに結合するための試薬と共に個別に包装されているかのどちらかである)、対照調合物(陽性および/または陰性)、および/または検出可能な標識(例えば、フルオレセイン、緑色蛍光タンパク質、ローダミン、シアニン染料、アレクサ染料、ルシフェラーゼ、放射性標識)を含有する。アッセイを実施するための説明書(例えば、書面、テープ、VCR、CD−ROMなど)がキットに含まれてよい。アッセイは、例えば、当該分野で公知のノーザンハイブリダイゼーションまたはサンドイッチELISAの形態であってよい。]
[0118] 例えば、TNBCMARKER検出試薬は、少なくとも1個のTNBCMARKER検出部位を形成するために多孔性ストリップなどの固体マトリクスに固定化することができる。多孔性ストリップの測定または検出領域は、核酸を含有する複数の部位を含んでもよい。試験ストリップは、陰性および/または陽性対照の部位も含有しうる。あるいは対照部位は、試験ストリップとは別のストリップに位置することができる。場合により、各種の検出部位は、異なる量の、例えば第1検出部位より多い量の、そして次の部位より少ない量の固定化核酸を含有してもよい。試験サンプルの添加時に、検出可能なシグナルを提示する多数の部位は、サンプル中に存在するTNBCMARKERの量の定量的表示を与える。検出部位は、いずれかの適切に検出可能な形状で構成され、典型的には、試験ストリップの幅におよぶ棒または点の形状である。]
[0119] あるいは、キットは、1つ以上の核酸配列を含む核酸基質アレイを含有する。アレイ上の核酸は、TNBCMARKERで表される1つ以上の核酸配列を特異的に同定する。基質アレイは、例えば、固体基板上に、例えば、米国特許第5,744,305号に記載されている「チップ」上とすることができる。あるいは基質アレイは、液体アレイ、例えば、xMAP(Luminex,Austin,TX)、Cyvera(Illumina,San Diego ,CA)、CellCard(Vitra Bioscience,Mountain View,CA)およびQuantum Dots’ Mosaic(Invitrogen,Carlsbad,CA)でありうる。]
[0120] TNBCMARKERの検出のための抗体の適切な販売元は、例えば、Abazyme、Abnova、Affinity Biologicals、AntibodyShop、Biogenesis、Biosense Laboratories、Calbiochem、Cell Sciences、Chemicon International、Chemokine、Clontech、Cytolab、DAKO、Diagnostic BioSystems、eBioscience、Endocrine Technologies、Enzo Biochem、Eurogentec、Fusion Antibodies、Genesis Biotech、GloboZymes、Haematologic Technologies、Immunodetect、Immunodiagnostik、Immunometrics、Immunostar、Immunovision、Biogenex、Invitrogen、Jackson ImmunoResearch Laboratory、KMIDiagnostics、Koma Biotech、LabFrontier Life Science Institute、Lee Laboratories、Lifescreen、Maine Biotechnology Services、Mediclone、MicroPharm Ltd.、ModiQuest、Molecular Innovations、Molecular Probes、Neoclone、Neuromics、New England Biolabs、Novocastra、Novus Biologicals、Oncogene Research Products、Orbigen、Oxford Biotechnology、Panvera、PerkinElmer Life Sciences、Pharmingen、Phoenix Pharmaceuticals、Pierce Chemical Company、Polymun Scientific、Polysiences,Inc.、Promega Corporation、Proteogenix、Protos Immunoresearch、QED Biosciences,Inc.、R&D Systems、Repligen、Research Diagnostics、Roboscreen、Santa Cruz Biotechnology、Seikagaku America、Serological Corporation、Serotec、SigmaAldrich、StemCell Technologies、Synaptic Systems GmbH、Technopharm、Terra Nova Biotechnology、TiterMax、Trillium Diagnostics、Upstate Biotechnology、US Biological、Vector Laboratories、Wako Pure Chemical Industries、およびZeptometrixなどの商業的に利用し得る販売元を含む。しかし、当業者は、本明細書で開示されたTNBCMARKERのいずれに対しても、抗体、核酸プローブ、例えば、オリゴヌクレオチド、アプタマー、siRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチドをルーチン的に作製できる。]
[0121] 実施例1:一般的な方法
患者コホート
143人のトリプルネガティブ乳がんの治療を前に受けた女性が識別されて、組織マイクロアレイ(TMA)を作製するために、彼女らのアーカイブされたホルマリン固定パラフィン包埋の初回切除生検が使用された。これらの患者の過半数が補助療法としてアントラサイクリンに基づく化学療法を受けていた。]
[0122] 抗体IHC
TMAは、XPF(ヌクレオチド切除修復)、FANCD2(Fanconi貧血経路)、MLH1(ミスマッチ修復)、PARP1(塩基切除修復)、PAR(塩基切除修復)、pMK2(Mapkapキナーゼ2、DNA損傷応答)、P53、およびKi67を含む、DNA修復経路におけるタンパク質に対する抗体を用いて染色された。抗体は、以下のソースから得た:XPF(AbCam)、FANCD2およびp53(Santa Cruz)、MLH1とKi67(BioCare Medical)、PARP1(AbD Serotec)、PAR(ポリ−ADPリボース、Millipore)、リン酸化Mapkapキナーゼ2(Cell Signaling Technology)。IHCランは、陰性および陽性ヒト乳がん対照切片で実行された。組織切片は、標準的な方法を使用して脱パラフィン化および再水和した。熱誘導によるエピトープ賦活化が実行され、そして、組織は4℃で一晩抗体により染色された。RenaissanceTSA(商標)(Tyramide Signal Amplification)ビオチンシステム(Perkin Elmer)が、XPFとFANCD2の検出のために使用された。Super Sensitive(商標)IHC検出システム(BioGenex)が、MLH1、PARP1、PAR、pMK2、およびKi67の検出のために使用された。Envision+System−HRP(Dako)が、p53の検出のために使用された。2倍抗体希釈範囲が確立され、抗原検索条件は、抗体が過剰に存在し、低および高発現レベル間の対照がん組織が判別されるようにセットされた。]
[0123] スコアリング
染色された組織は、機械ベースの画像解析と陽性腫瘍核の強度と量を取り入れたスコアリングを使って評価された。走査と画像解析プラットホームは、Aperioから入手された。各々のマーカーパターンは、品質と病理学的概観によって評価された。画像解析アルゴリズムは、対照乳がん腫瘍切片で各々のマーカーについて確立された。]
[0124] 統計分析
バイオマーカーのスコアリングは、結果との相関関係を評価する臨床データと相関させた。患者は、複数のマーカーモデルの開発のために、トレーニング(患者の60%)とテスト(患者の40%)のコホートにランダム化された。一連の最適閾値のマーカー値は、早期再発と後期再発の間の最も高い判別を与えた各々のマーカーについて単変量解析によって決定された。判別分析と分割解析は、トレーニング・データ・セット・サンプルを2つのグループ:早期再発と後期再発に最大限に分類するために実施された。再発は、がんの復帰の証拠であり、臨床的に認められた基準によって治療の間、患者の観察の過程で確立される。再発時間は、診断の時間から計算される。検証作業において、トレーニング・データ・セット閾値とマーカーの組み合わせが、テスト・データ・セットに適用された。Kaplan−MeierおよびCoxの比例ハザードは、再発までの時間を評価するのに用いられた。p−値に対する統計的な出力、見かけ上の誤判別率(AER)、受容者操作特性と曲線下面積(AUC)、感度、特異度、陽性予測検出力、陰性予測検出力、相対的リスク(RR)、オッズ比は、代替モデルで計算された。確率試験がAUC値を生み出すためにマルチマーカーモデルを用いて行われた。]
[0125] 実施例2:DNA修復タンパク質の変化は、トリプルネガティブ乳がんでしばしば観察される。]
[0126] 標準的な組織病理学基準によって、Her2、ER、およびPRの欠如によってトリプルネガティブ乳がんサブタイプを有すると診断された乳がん患者が、試験群に編成された。患者の生検は、初回切除生検から得られ、そして、患者はDana−Farber Cancer Instituteで承認されたプロトコルに従って化学療法を受けた。患者につきがん組織の3つの600m2コア領域を含む組織マイクロアレイ(TMA)が、効率的にマーカーを評価するために、そして免疫組織化学で患者標本間の染色変化の影響を最小にするために構築された。研究の目的は、患者の腫瘍が標準的治療下で如何に攻撃的に復帰するかを知らせる、生検段階でのバイオマーカーパターンを開発することであった。]
[0127] DNA修復経路は、化学療法と放射線に対する細胞応答ネットワークにとって重要である。この研究において、これらのいくつかの経路からの代表が、臨床結果との関係のために調査された。10の選択されたDNA修復タンパク質エピトープ、p53、NQO1、およびKi67タンパク質が、トリプルネガティブ乳がんTMAからの連続切片で評価された。腫瘍領域は、病理学検査によってコアにつき画定された。マーカーのための発現の違いは、デジタル病理学プラットホーム(Aperio)に顕微鏡スライドをスキャンすることによって定量化された。強度を染色する機械ベースの回収は、注釈された腫瘍ゾーンに集中された。0、1+、2+、および3+ビンのマーカー出力は、0〜300の相対的な強度スコアを作るために、重量アルゴリズムに組み込まれた。いくつかのマーカーのために、核染色の強度が測定され、その他の場合、異なる細胞区画へのマーカーの局在化が明らかにされた。FANCD2タンパク質パターンで、Fanconi貧血のコア複合体の活性化と相同組み換えを示す核点状構造が、いくつかの患者生検(図1A)で観測された。19%の腫瘍がFANCD2核点状構造を含み、23%は核と細胞質のFANCD2を含んだことが判明した。FANCD2核点状構造に対して陰性である腫瘍が58%であった。同様に、さらなる翻訳後の規制が、Mapkapキナーゼ2(pMK2)のリン酸化修飾をモニターすることによって、腫瘍特異性の様式で見つけられた(図1B)。pMK2細胞内配置が、腫瘍に依存して、核内だけ、あるいは核内+細胞質内の分布で起きた。乳がんの約10%は核染色を含んでいたし、21%は細胞質と核の染色を共有し、そして、69%はこの活性化マーカーに関して陰性であった。] 図1A 図1B
[0128] 臨床結果相関物と比較してマーカー出力値を判別するために、標本コア−コア変動が、DNA修復マーカーのための患者のランキングスキームに影響したかどうかを解決することが最初に求められた。この目的のために、患者のランクの任意の指標が、コホートでの最低値から最高値まで確立された。3重のTMAコア間のマーカーの各々の変動レベルが測定されて、そして患者ランク値/マーカーに対してスコアリングされた(図2A)。試験された8つのDNA修復と増殖マーカーに対して、平均ランク誤差が、低い合計パーセンテージであることが判明した(8.8−11.1%のDNA修復、11.1%のKi67)。したがって、3重TMAコア間の比較的に小さい変動は、試験された任意のマーカーに対する患者のランク順序を大きくは変更しない。] 図2A
[0129] 実施例3:化学療法関連トリプルネガティブ乳がん患者のがんの再発とDNA修復の関連
主要な治療データを有する115人の患者の臨床データは、中央値58カ月の追跡期間で利用可能であった。そのコホートのための年齢の中央値は、49.3年であった。68人の患者が、乳房温存療法で処置されて、そして、47人は乳房切除で処置されて、そのうちの17人は、乳房切除後、放射線を受けた。110人の患者は、彼女らの治療の一部として化学療法を受けた:42人は、アントラサイクリン/シクロホスファミド、50人は、アントラサイクリン/シクロホスファミド/タキサン、15人は、シクロホスファミド/メトトレキセート/5−FUベースの療法を、そして3人は他の療法を受けた。18人の患者にはBRCA1突然変異があり、そして、5人は、未知の変異体を有した。37人に再発があった:18人は最初に遠隔転移であり、12人は最初に局所転移であり、そして、7人は同時であった。]
[0130] 11のバイオマーカーは、病気再発の尤度を予測するそれらの能力について分析された。それから、RachのTNBCMARKERが再発群と非再発群の間で分離のために評価された(図3)。単変量Cox比例ハザードモデルは、彼らの潜在的予測検出力を調べるためにマーカーの各々に対して構築された。低いXPF(p=0.005)、pMK2(p=0.01)、MLH(p=0.007)およびFANCD2(p=0.001)は、単変量解析において、再発までのより短い時間と関係していた(表2)。DNA修復におけるPARやPARP1などのいくつかの他のマーカーについては、同じ分析は、統計的有意性に達することができなかった。Ki67(細胞増殖マーカー)は、p53腫瘍抑制因子(p=0.02)のように、有意(p=0.07)であったし、前の情報と一致した観測であった。]
[0131] 実施例4:再発群を識別する複数のDNA修復バイオマーカーパネルの発見
DNA修復経路は、細胞生存と化学療法応答において協調した方法で作動し得る。したがって、DNA修復タンパク質の変化は、個々の分析によるよりはむしろマーカーの効果を組み合わせることによってより効果的に決定される可能性がある。これらの協調のための統計学的に促進された仮定を進展させるために、2つのマーカーの組み合わせが、分布分割法を用いてステップワイズ・バイナリ・マーカー・モデルで解析された。群1バイオマーカーは、マーカーが個々に使われるよりはむしろペアで組み合わされたときに、層別化利益の証明により決定された。マーカー比較の出力は、そのXPF、FANCD2、pMK2.C、およびPARが、2−マーカー分析に基づいたことを示した。試験でのこれらの4つのマーカーのために、早期再発群対後期再発群の分離が、6つの対マーカーの組み合わせの各々からより良好に定義された(図4)。バイオマーカーの第2の群(群2)は、対分析によっても決定された(図5)。他のマーカーは、類似した対試験で一貫して機能せず、別の群に属するのを観察されず、患者の再発群のより大きな区別に関与しなかった。全2つのマーカーモデルは、TNBCMARKER XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH、FANCD2、ATM、RAD51、BRCA1、ERCC1、NQO1、p53、Ki67(表)のために計算された。統計評価は、p−値、見かけ上の誤判別率、相対的リスク、オッズ比、陽性予測検出力、および陰性予測検出力を含んだ。同様に、全3つのマーカーモデルは、TNBCMARKERのXPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH、FANCD2、ATM、RAD51、BRCA1、ERCC1、NQO1、p53、Ki67(表)について計算された。] 図4 図5
[0132] 分割解析によりマルチマーカーアルゴリズムでのマーカーの組み合わせを評価するために、サンプルを「再発しそうな」(早期再発)群と「再発しそうにない」(後期再発)群に分けるための最適閾値が、最初に確立されて、そして、群についての事象曲線までの時間が比較された。これらの結果の有意性は、トレーニング・データ・セットを分割するために計算された閾値を使い、テスト・データ・セットの事象曲線までの時間をトレーニング・データ・セットに対する事象曲線までの時間と比較することによりチェックされた。マーカー発現レベルで分割を意味する閾値を決定するために、各々のマーカーの範囲は、20の等しい間隔に分けられ、そして、モデルの4つのマーカーのための閾値のすべての組み合わせが試験される。生存曲線p−値によって最もサンプルを分離した閾値は、マーカーデータの0.39、0.66、0.71、および0.62の分位数に対応するXPF=229、FANCD2=69、PAR=56、そして、pMK2.C=0.36である(図6)。]
[0133] 全4つのマーカーのための高いレベルは、12のサンプルを含む「再発しそうな」群(10例の再発)と44のサンプルを含む「再発しそうにない」群(10例の再発)で、再発の高いリスクを示した。驚くべきことに、「再発までの時間」に対する「再発しそうな」群と「再発しそうにない」群は、トレーニング・データ・セットで測定されたように、2つの群のためのリスクに関する有意差を示す9.05E−07のp−値を与える(図7)。これらの調査結果を独立して有効にするために、サンプルを5つのサンプルを含む「再発しそうな」(早期再発)群(4例の再発)と32のサンプルを含む「再発しそうにない」(後期再発)群(9例の再発)に分けるテスト・データ・セットの情報がさらに送られた。テスト・データ・セットについては、「再発しそうな」群と「再発しそうにない」群との間の再発曲線への時間の比較が、統計的に有意な0.0186のp−値を与えた。] 図7
[0134] 2つのデータセットからの2つの結果群が類似していたことを証明するために、2回目の交差妥当化の計算が実行された。テスト・データ・セットとトレーニング・データ・セットからの「再発しそうな」群についての再発曲線までの時間を比較することにより、0.625のp−値を与え、これは、Kaplan−Meier曲線がトレーニング・データ・セットとテスト・データ・セットとの間で異なってはいなかったことを示し、そして、「再発しそうな」群は、両方のデータセットで同程度の再発リスクを有することを示す(図8)。テスト・データ・セットとトレーニング・データ・セットからの「再発しそうにない」群についての再発曲線を比較することにより、0.606のp−値を与え、これは、データセット間で「再発しそうな」群に対しては検出し得る違いがなかったことを示す(図8)。] 図8
[0135] 4つのDNA修復マーカーモデル(PAR、pMK2、XPF、FANCD2)によって定義される低リスク群は、103カ月の再発までの平均時間を有したが、高リスク群は、28カ月[トレーニングコホート]の再発までの平均時間を有した。モデルは、同様の結果(再発への平均時間134カ月対31カ月、p=0.029)をテストコホートで与えた。これは、単一マーカーやP53(p=0.02)またはKi67(p=0.07)などの他のマーカーより優れていた。]
[0136] 再発への平均時間に加えて、低リスク(後期再発)と高リスク(早期再発)群は、相対的リスク(RR)に基づいて異なっていた。トレーニング・データ・セットについての4つのマーカーモデルのRRは、3.52(95%信頼区間が1.9−6.6)であり、そして、テスト・データ・セットについてのRRは、2.67(95%信頼区間が1.3−5.4)であることが分かった(図9)。重要なことに、マーカー個々に対する相対的リスクの計算およびp53またはKi67などの非DNA修復マーカーに対する相対的リスクの計算は、高い値(それぞれ2.1と1.9)ではなかった。同様に、テストへの偽陽性レベルの指標である「見かけ上の誤判別率(AER)」は、個々のマーカーと4つのマーカーモデルに対して決定された。4つのDNA修復マーカーアルゴリズムは、個々のマーカー(0.30〜0.52)のいずれかまたはp53(0.35)もしくはKi67(0.39))などの他のマーカーと比較して、低いAER(0.22)を与えることが判明した。] 図9
[0137] 4つのマーカーテストが、いくつかの特異度/感度基準に基づいて適切に分類された患者の特定において改善を示したことがさらに確定された。4つの個々のマーカーパネルのためのAUC値は、4つのマーカーパネルのための確率解析法で測定された4つのDNA修復マーカーモデルについての0.774の有意に高いAUC値と比べて、FANCD2(0.71)、pMK2(0.65)、XPF(0.67)およびPAR(0.54)であった。陽性予測検出力と陰性予測検出力の計算が利用された。個々のマーカーは、陽性予測検出力(0.40〜0.57)と陰性予測検出力(.68〜.91)を示した。その代わりに、Xpf、FANCD2、pMK2、およびPARの4つのマーカーのアルゴリズムは、優れた陽性予測検出力(0.83)と陰性予測検出力(0.76)を示した。他の統計測定基準に関しては、陽性および陰性予測検出力の測定は、個々のマーカーで試験するよりも、より重要で信頼できるということを証明した。]
[0138] XPF、FANCD2、PAR、およびpMK2からの4−マーカーモデルに加えて、さらなる代わりの3−マーカーモデルと4−マーカーモデルは、同じ統計基準(表)のファミリーによって評価された。8つのTNBCMARKER(ATM、BRCA1、PAR、MLH1、XPF、FANCD2、PMK2、RAD51)を有する全3−マーカーモデルが計算され、そして、リストは統計値によって優先順位を決定した。上位30のモデルは、p−値、AER、相対リスク、陽性予測検出力、および陰性予測検出力について優先順位をつけられた。各々のケースでは、全8つのTNBCMARKERは、上位30のモデル(表)の中に入った。上位30のモデルのための最小および最大範囲が、p−値(2.94e−05−1.02e−03、AER(0.22〜0.27)、相対リスク(2.88〜4.02)、陽性予測検出力(0.59〜0.64)、陰性予測検出力(0.72〜0.78)のために分類され、単一のTNBCMARKERより優れていることが示された。これらのデータは、単一のTNBCMARKERや他のマーカーテストよりも有意な改善を示すTNBCMARKERを有する複数(3つと4つ)のマーカーモデルがあることを示す。]
权利要求:

請求項1
対象でのトリプルネガティブ乳がんの発症またはトリプルネガティブ乳がんの再発のリスクを、所定レベルの予測可能性で評価するための方法であって、該方法は:a.該対象からのサンプルにおいて、FANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、ERCC1、NQO1、p53、Ki67からなる群より選択される2つ以上のTNBCMARKERの有効量のレベルを測定する工程;およびb.該サンプル中の該2つ以上のTNBCMARKERのレベルでの臨床的に有意な変化を測定する工程であって、該変化は、該対象でのトリプルネガティブ乳がんを発症させる増加したリスクを示す、工程;を含む、方法。
請求項2
前記TNBCMARKERが、DNA修復タンパク質であり、FANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
請求項3
NQO1、p53、およびKi67からなる群より選択される1つ以上のTNBCMARKERを検出する工程を更に含む、請求項2に記載の方法。
請求項4
少なくとも1つのTNBCMARKERが、FANDC2、BRCA1、またはRAD51であり、少なくとも1つのTNBCMARKERが、a.XPFもしくはERCC1;b.pMK2もしくはATM;またはc.PARもしくはPARP1;である、請求項1に記載の方法。
請求項5
NQO1、p53、およびKi67からなる群より選択される1つ以上のTNBCMARKERを検出する工程を更に含む、請求項4に記載の方法。
請求項6
前記2つのTNBCMARKERが、異なるDNA修復経路に属するDNA修復タンパク質である、請求項2に記載の方法。
請求項7
3つ以上のTNBCMARKERを検出する工程を含む、請求項2に記載の方法であって、該TNBCMARKERが、2つ以上の異なるDNA修復経路に属する、方法。
請求項8
4つ以上のTNBCMARKERを検出する工程を含む、請求項2に記載の方法であって、該TNBCMARKERが、2つ以上の異なるDNA修復経路に属する、方法。
請求項9
4つ以上のTNBCMARKERを検出する工程を含む、請求項2に記載の方法であって、該TNBCMARKERが、3つ以上の異なるDNA修復経路に属する、方法。
請求項10
a.FAND2ならびにXPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1からなる群より選択される少なくとも1つのTNBCMARKER;b.XPFならびにFANCD2、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1からなる群より選択される少なくとも1つのTNBCMARKER;c.pMK2ならびにFANCD2、XPF、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1からなる群より選択される少なくとも1つのTNBCMARKER;d.PARならびにFANCD2、XPF、pMK2、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1からなる群より選択される少なくとも1つのTNBCMARKER;e.PARP1ならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、MLH1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1からなる群より選択される少なくとも1つのTNBCMARKER;f.MLH1ならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、ATM、RAD51、BRCA1、およびERCC1からなる群より選択される少なくとも1つのTNBCMARKER;g.ATMならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、RAD51、BRCA1、およびERCC1からなる群より選択される少なくとも1つのTNBCMARKER;h.RAD51ならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、BRCA1、およびERCC1からなる群より選択される少なくとも1つのTNBCMARKER;i.BRCA1ならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、およびERCC1のうちの少なくとも1つ;またはj.ERCC1ならびにFANCD2、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH1、ATM、RAD51、およびBRCA1のうちの少なくとも1つ;を検出する工程を含む、請求項1に記載の方法。
請求項11
NQO1、p53、およびKi67からなる群より選択される1つ以上のTNBCMARKERを検出する工程を更に含む、請求項10に記載の方法。
請求項12
前記トリプルネガティブ乳がんに関連した少なくとも1つの標準パラメーターを測定する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
請求項13
XPF、FANCD2、PARおよびpMK2の発現レベルを測定する、請求項1に記載の方法。
請求項14
TNBCMARKERのレベルを免疫化学的に測定する、請求項1に記載の方法。
請求項15
免疫化学的検出が、放射免疫測定法、免疫蛍光検査法、量子ドット法、電気化学法、オリゴヌクレオチド結合PCR増幅と検出アッセイ、または酵素免疫測定法による、請求項14に記載の方法。
請求項16
前記サンプルが、腫瘍生検である、請求項1に記載の方法。
請求項17
前記生検が、細針吸引、コア生検、切除組織生検または切開組織生検である、請求項1に記載の方法。
請求項18
前記サンプルが、血液、リンパ節、または体液由来の腫瘍細胞である、請求項1に記載の方法。
請求項19
対象でのトリプルネガティブ乳がんの発症のリスクを、評価についての所定レベルの予側可能性で評価するための方法であって、該方法は:a.該対象からのサンプルにおいて、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH、FANCD2、ATM、RAD51、BRCA1、ERCC1、NQO1、p53、Ki67からなる群より選択される2つ以上のTNBCMARKERの有効量のレベルを測定する工程;およびb.該2つ以上のTNBCMARKERの有効量のレベルを参照値と比較する工程;を含む、方法。
請求項20
前記参照値が、指標値である、請求項19に記載の方法。
請求項21
対象でのトリプルネガティブ乳がんの進行を、所定レベルの予測可能性で評価するための方法であって、該方法は:a.第1の期間の該対象からの第1のサンプルにおいて、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH、FANCD2、ATM、RAD51、BRCA1、ERCC1、NQO1、p53、Ki67からなる群より選択される2つ以上のTNBCMARKERの有効量のレベルを検出する工程;b.第2の期間の該対象からの第2のサンプルにおいて、2つ以上のTNBCMARKERの有効量のレベルを検出する工程;c.工程(a)で検出された2つ以上のTNBCMARKERの有効量のレベルを、工程(b)で検出された量または参照値と比較する工程;を含む、方法。
請求項22
前記第1のサンプルが、前記トリプルネガティブ乳がんに対する治療がされる前に前記対象から採取される、請求項19に記載の方法。
請求項23
前記第2のサンプルが、前記トリプルネガティブ乳がんに対する治療がされた後に前記対象から採取される、請求項19に記載の方法。
請求項24
トリプルネガティブ乳がんの治療の有効度を、所定レベルの予測可能性でモニターするための方法であって、該方法は:a.第1の期間の対象からの第1のサンプルにおいて、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH、FANCD2、ATM、RAD51、BRCA1、ERCC1、NQO1、p53、Ki67からなる群より選択される2つ以上のTNBCMARKERの有効量のレベルを検出する工程;b.第2の期間の該対象からの第2のサンプルにおいて、2つ以上のTNBCMARKERの有効量のレベルを検出する工程;c.工程(a)で検出された2つ以上のTNBCMARKERの有効量のレベルを、工程(b)で検出された量または参照値と比較する工程であって、ここで、治療の有効度は、該対象からの2つ以上のTNBCMARKERの有効量のレベルにおける変化によりモニターされる、工程;を含む、方法。
請求項25
前記対象が、前記トリプルネガティブ乳がんについて以前に治療されていた、請求項24に記載の方法。
請求項26
前記第1のサンプルが、前記トリプルネガティブ乳がんについて治療がされる前に前記対象から採取される、請求項24に記載の方法。
請求項27
前記第2のサンプルが、前記トリプルネガティブ乳がんについて治療がされた後に前記対象から採取される、請求項24に記載の方法。
請求項28
トリプルネガティブ乳がんと診断された対象のための治療レジメンを、所定レベルの予測可能性で選択するための方法であって、該方法は:a.第1の期間の該対象からの第1のサンプルにおいて、XPF、pMK2、PAR、PARP1、MLH、FANCD2、ATM、RAD51、BRCA1、ERCC1、NQO1、p53、Ki67からなる群より選択される2つ以上のTNBCMARKERの有効量のレベルを検出する工程;b.第2の期間の該対象からの第2のサンプルにおいて、2つ以上のTNBCMARKERの有効量のレベルを場合により検出する工程;c.工程(a)で検出された2つ以上のTNBCMARKERの有効量のレベルを、参照値または場合により工程(b)で検出された量と比較する工程;を含む、方法。
請求項29
前記対象が、前記トリプルネガティブ乳がんについて以前に治療されていた、請求項28に記載の方法。
請求項30
前記第1のサンプルが、腫瘍について治療がされる前の前記対象から採取される、請求項28に記載の方法。
請求項31
前記第2のサンプルが、前記トリプルネガティブ乳がんについて治療がされた後の前記対象から採取される、請求項28に記載の方法。
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引用文献:
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